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怖い話⑤『米国経済学者の予測』

本日は、日本経済のバブルが弾けた頃に出版された レスター・C・サロー著『資本主義の未来』の 「怖い予測」 についてご紹介します。


レスター・C・サローの警告

著者の「日本版発行に寄せて」の内容を今でも覚えています。
通常、著名な欧米の著者が日本版の出版に際して、特別にメッセージを寄稿することは、ありません。
メッセージが寄せられたことに驚きましたが、その内容はさらに衝撃的なものでした。

レスター・C・サロー氏の日本への警告

 * 日本は、冷戦時代の勝者。
 * 日本が世界が変化していることを認識するのは、難しい。
 * 日本が変化に合わせて、自らを変えていくのは、更に難しい。

出版されて約30年近く経ちますが、予言が的中しているところが悲しいところです。


レスター・C・サローの予測の詳細

レスター・C・サロー氏は、地質学の「プレートテクトニクス」、生物学の「断絶平衡説」という二つの考え方を使って、新しい経済の動きを分析し、予測をしています。


1)地殻変動と適応の必要性

冷戦後の資本主義が直面する地殻変動の5つのプレートが、大規模な変化に直面していると予想。大きな変化に適応する必要がある。

5つのプレート
 *  共産主義の崩壊
 * 人間主体の頭脳産業の時代
 * 人口の増加、移動、高齢化
 * グローバル経済
 * 覇権なき世界

※ この地殻変動は、現在も進行中だと思います。


2)グローバル化と要素価格均衡化

グローバル化が進む中で、労働力や資源の価格が均一化されることで、各国の経済構造に影響を与えると予測。
対策: 特定の国や地域に依存しない経済戦略が必要。

※ 冷戦時代までは、国内で仕事を廻していました。1990年以降は、仕事を海外に外注するようになりました。日本人の給料が上がりにくいのは、同じ仕事をより安いコストで請け負う海外の人材の出現が原因です。

3)知識資本主義の重要性

知識や情報が経済成長の鍵となり、従来の物質的資源から知識へのシフトが進むと予想。
対策: 企業や国は知識を活用して競争優位の確立する。

※ GAFAが断トツの競争優位を確立しています。日本の企業は1社もないのが、悲しい。


4)人口問題と社会的影響

高齢化社会や人口爆発問題が経済に影響を与えるとし、特に先進国では高齢者層の増加が社会保障や雇用政策に影響を及ぼすと指摘。
対策: 社会的セーフティネットの構築。教育制度を改革し、スキル向上を図る。

※ 少子高齢化で、ますます社会保障費が高くなる。更に少子化が進む。悪循環が断ち切れません。


5)技術革新と未来の可能性

新しい技術が社会に変革をもたらすことで、資本主義は再び活力を取り戻す可能性があるとしています。しかし、この過程で生じる格差や社会的課題への対応が求められます。

※ AIの発達で、格差や社会課題は解決できるでしょうか?

6)社会的分断と個人主義

資本主義の潮流が個人主義を助長し、その結果として政府や社会保障への投資が減少している状況も描写されています。中間層が疲弊し、富裕層と貧困層との二極化が進むことを予測。

※ 確実に貧富の差は開いてきています。



ホメオスタシス(恒常性)と思い込み

日本の停滞は、冷戦後続いています。なかなかよくなる兆しがありません。社会全体が、変わろうとしない雰囲気になっているような気がします。
日本人は、特に変化を特に嫌う傾向が強いのかもしれません。

変化を嫌う大きな要因: ホメオスタシス + 思い込み だそうです。

  • ホメオスタシス(恒常性): 状態を一定に保とうとする人間の仕組み。

  • 思い込み: 無意識のうちに持つ信念や価値観。

人間の本能に係るので、解決は難しいことが判ります。


現在の地殻変動

現時点での地殻変動を考えてみると、下記の5つが考えられます。

  • 大規模言語モデルAIの出現

  • 米中新冷戦

  • 移民・難民問題

  • 少子高齢化問題

  • 貧富の差の拡大 → 社会の不安定化

そろそろ、均衡が崩れ、一気に社会が変化しそうです。
しかし、どのように変化するのか、またその変化にどう対処すればよいのかが予測できません。
老後に、激変する社会を迎えるのは、かなり厳しい。

参考

1)ブログ内容の検索

ブログ内容の検索は、Genspark AI、Perplexity AIを使いました。
URL: 

https://www.genspark.ai/

https://www.perplexity.ai/


2)デジタルな振る舞い株式会社

AIの勉強にお薦めです。



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Hiro/AIに取り組む65歳
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