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理不尽なことに出会ってしまったら、僕たちは物語を語ろう。

先日「適切な怒り方を学びたい」という相談を受けた。

その話は、11月17日のVoicy「相談カフェ」のコーナーでも触れたが、このnoteでは音声にプラスアルファの概念も付け加えながら、整理していきたい。

https://voicy.jp/channel/794/6187074

その背景となるストーリーはこんな感じだ。

たまたま訪れた飲食店で、友人の方に店員さんが誤って飲み物をこぼしてしまった。
店員さんは若くて、テンパっていた。
店員は必死に謝り、店長もお詫びをしてくれた。
こよ状況に対して怒るべきか迷って、結局怒らなかった。というか怒りようがなかった。
しかし、いまだに抑えようのない不満や残念な気持ちが残り続け、その後もモヤモヤしている。
私はどう怒れば良かったのだろうか?


なるほど。確かに怒る時に適切に怒ることができる、というのは大切なスキルだと思う。
明らかにそこに非があるならば、飲み込まずにそこで即座に表現するべきだろう。

しかし、今回はそれとちょっと異なるようだ。
今回は(伝聞なので正確に状況はわからないが)店員も手を抜いていたわけではなさそうであり、仕方なく起きてしまった事象のように聞こえる。そして、その後の先方の対応にも大きな間違いはなかった。
言うならば、誰も明確な悪意や非がないから、怒りのぶつけどころがなくてモヤるのだ。

もし、その店員がいい加減な態度で、まともに謝らなかったのであれば、怒りのぶつけどころもあるだろう。
しかし、もしそうではなかったとしたら、怒りの感情は発散させるタイミングを失い、その負の感情を内に抱えたままになる。
これはキツい。
だから、この方のように「どう怒れば良かったのですか?」という問いになるだろう。

しかし、このような場合、「適切な怒り方」という問いは間違ってる。なぜならば、繰り返すが、その場では怒りの向け先がないからだ。
もしその場で飲み物を溢した若者に怒っていれば、一時的にはスッキリしたかもしれないが、「ひたすら反省している若者に怒りをぶつけてしまった後悔」という負の感情が生まれただろう。

だから、モヤモヤした感情を抱えて帰ってきたあなたは正解なのだ。

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