英語格闘記:Roger. Wilco (了解,やります)
約40年前のこと。
筆者がイギリスで通っていた学校の教室で、新聞を読んでいた筆者を見た一学年上の先輩が、しばらく後で廊下で筆者を見かけて、「Will you bring the newspaper pf yours ? 新聞もってきてくれる?」と言ってきた。
何も考えず「Roger, Wico」と答えてた。教室に置きっぱなしにしていた新聞を取りに行こうとすると、間髪入れずにカナダ人の先生が「今何て言った??!」とおっしゃる。
「… Roger, wilcoと言いました」
「どういう意味だ?!」
「Aye Aye,sir、と同じ意味です」
と言うと、カナダ人の先生はさらに混乱した。
「Aye Aye sirが海軍の言葉なら、Roger, Wilcoは陸軍の通信用語ですよ」と説明した。
カナダ人の先生は納得がいかなかったようで、「なぜ日本人のお前が軍事用語など知っているんだ」と聞いてくる。
この言葉との出会いははっきり覚えていないが、自宅に時々来ていた内装工事のおじさん達や、市場、工事現場、地下鉄の切符売り場などでよく聞いた覚えがある。単純に「了解。やるよ」といったニュアンスで使われていたと思う。
Rogerは、「了解」、Wicoは{Will comply}の短縮形で「従います」という意味になる。要は「(言われたことを)やります」という意味だ。
英語が通じるはずのカナダ人の先生がなんでこんな質問をしてくるのか分からなかったが、とりあえずいろいろな場面で来たことがあると説明した。
当時通っていたのはアメリカ系のインターナショナルスクールだったが、選択した教科にはアメリカ人やカナダ人が一人もおらず、交流することが無かった。
結局カナダ人の先生は、Roger, Wilcoを普通の会話で使う事に疑問を隠さず、なんと学校に来ていた日本人全員に「このフレーズを聞いた事があるか」と聞いて回ったらしい。どうやら日本人なら知っているフレーズなのか、確かめたかったようだ。
結果として誰か日本人で知っている人が居たのかは不明だが、カナダ人の先生は自分が聞いたことの無い英語表現に対して非常に厳しく、何か変なスラングを使っているのではないかと大いに疑っていらっしゃった。
このRoger, Wicoが現在の北米で使用されている表現なのか、はたまたオーストラリアやニュージーランドで使われている表現なのかは定かではないのだが,少なくとも1980年代のイギリスではよく聞く言葉だった。
もしかしたらもう古い言葉として廃れてしまっているのか、それともある一定年齢以上の人が使う言葉になっているか、興味を覚える。
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