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ロードマップしくじり先生 -大きく考えて、小さく分けて、早く実行する-

こんにちは!英語アプリmikanで事業企画をやっている櫻井です。

自分自身はもともと、そして今もマーケティングの人間ですが、新規獲得もやりつつ、プロダクト戦略を担当しており、どっちもやりまっせー!ということで事業企画というポジションでやらせてもらっています。

この記事は、mikan Advent Calendar 15日目の記事です。みんな興味深い記事を上げているので、ぜひ覗いていってみてください!

今回は、今年mikanに入社し、プロダクト戦略としてのロードマップを作成し、試行錯誤の末やってきたことの変遷、そして"しくじり"を共有できればと思います。

おもしろいよね!!!見てる分には!!!

情報を集め、向かう方向を決めた

2023年2月半ばにmikanに入社したのですが、2022年10月頃から副業でmikanには携わっていました。(副業を始めた当初は入社するとは思っていなかった。入社エントリーはまた年末に出します…!)

当時はプロダクトロードマップはなく、四半期ごとに状況を見て方針を変えており、"現状を踏まえてすぐに修正できる"メリットはありつつも、"長期的にどこに向かっていくのか"が不透明な状態でした。

そのため、まずはどこに向かっていくべきか、向かっていきたいのかを決めるための情報を集めていきました。

TAM(Total Addressable Market)を把握し、mikanの内部データと比較する

①英語学習のTAMをできる限り分解して把握する
②mikanの内部データとTAMを比較し、"共通点"、"差分"を理解する

まずは日本における英語学習サービスの状況を理解するため、TAMを調べ、情報がある範囲で分解していきました。

■ 日本における英語学習者の人数
 ・セグメント別(TOEIC、英検、大学受験など)
  └ 年代比率
  └ 目標点数のユーザー分布
  └ 現在点数のユーザー分布 など

次に、TAMとmikanの内部データを比較していきました。比較して見ることで、"共通点"、"差分"がわかるようになります。すると、"差分"により違和感・チャンスを見つけることができるため、仮説を持つきっかけを作り出すことが可能です。

例えば、TOEICが学習目的のユーザーの現在点数の分布に関して、「TAM平均:600点」、「mikan平均:400点」だった場合、差分が発生しています。これは何を表しているのかというのを掘り下げていくイメージです。

定量調査で英語学習者の解像度を上げ、競合サービスとの比較の中で現在地を理解する

その上で定量調査で英語学習者に対する解像度を上げていきます。また、認知率、利用率、課金率はどうなのか、何が便益として選ばれているのかなどを競合サービスも含め見ていきます。

■英語学習者
 ・学習時間
 ・英語学習への投資金額 など
■認知
 ・認知率
 ・利用率
 ・課金率
 ・利用した便益の理由 など

これにより、向かっていく方向性を決めるための情報はあらかた集まったかなという感じでした。

プロダクトの理想像を明確にし、そのために大切なポイントを決める

そして、集めた定量データに加え、自分自身の考え、経営陣やPM陣の意見などの定性データを踏まえ、プロダクトの理想像とそのために大切なポイントをまとめていきました。本当はmikanメンバー全員とやればよかった…という後悔はありますが、それを除けばここまではまだ大きなしくじりはなかった…はず。

とりあえず理想像は決まった感じ。それはいいけど…

向かっていく方向は決めたけど、どうやってたどり着くか

プロダクト理想像を踏まえ、効果が見込める施策をつくりこむ

理想像は決まったものの、入社前の1Q(2023年1-3月)から準備している施策の開発も残っている時期で、それをやりながら、理想像に対しての新規施策も挟んでいくという感じで進んでいきました。

領域の異なる施策がポツポツと並ぶ状態に…!

あああああああああー!恐ろしい…!今思うと何やっとんじゃ!という感じですが、こんな感じで施策が並んでいました…

しくじりポイント

・理想像への道筋、何をどういう順番でやるのかの優先順位が明示できていなかった
・1つ1つの施策が大きくなり、PDCAを回すのに時間がかかりすぎた

今思うと、"きほんのき"すぎるのですが、理想像に対する道筋が明確でなく、何をどういう順番でやるのかが明示できていなかったため、異なる領域の施策がバラバラと並んでしまい、つまんでいくようなかたちになりました。潤沢なリソースがある状態であればまた話は別ですが、mikanのリソースを考えると領域を絞って集中すべきでした。

また、理想像に対して、「一定のクオリティで出したい」や「想定以上に工数がかかる」など、1つ1つの施策も途中で大きくなっていきました… MVP(Minimum Viable Product)で出すというのも"きほんのき"ですが、そこを徹底できるルールも設けられていなかったです。

チェックポイントを設けて、どの道筋を通っていくかを決めた

領域ごとに優先度をつけてPhaseで区切り、それぞれにアウトカムを設定する

前回のしくじりを受けて、領域ごとにロードマップを作成し、その中でも優先度をつけてPhaseで区切ること・それぞれのPhaseにアウトカムを設定することで、どういう道筋でプロダクト理想像に向かっていくのかを決めました。それにより、Phaseごとに何をやって、何をやらないかが明確になりました。

例えば、こんなイメージ。よし、これで絞れた!と思ってたよね…

しかし、施策立案や施策が並んでいっても、前よりはいいけど、線じゃなくて点になっている感覚があり、有機的な動きができている感覚が薄い状態でした。 

しくじりポイント

・Phase4までに分割したものの、1つ1つのPhaseがまだ広すぎた
・領域は絞ったものの、施策ごとに異なる指標に効く施策を追っていた

まず、Phaseを4つに分けましたが、単純にまだ広すぎました。Phase1つ1つの範囲が広大なので、これだとまだ施策が散らばってしまう印象でした。

また、領域は絞ったものの、指標が異なるものだったので、点と点の距離は近づいたものの、まだ線になりきれてない状態でした。

チェックポイントをさらに分解し、指標を統一。基準をつくり、課題を一覧化した

・Phaseをさらに分解、Phase n-nごとで追う指標を統一する
・Phaseごとの基準をつくり、解決すべき課題を一覧化する
・工数の目安を決め、それに入る大きさで実装するルールをつくる

Phaseをさらに分解、Phase n-1ごとで追う指標を統一する

領域は絞ったものの、異なる指標に効く施策が並んでいたことを解消するため、優先すべき指標や状態を決め、それにあわせてPhaseをさらに分解しました。

Phaseごとの基準をつくり、解決すべき課題を一覧化する

また、追う指標に効く施策ならなんでもいいかというとそんなことはないよね、と。ということで、このPhaseでやるべきこと・やるべきでないことを定義しました。

【Phase n-nごとの基準を定義】
・やるべきこと 
 └ aaa 
 └ bbb
・やるべきでないこと
 └ aaa 
 └ bbb 
・施策イメージ 
 └ aaa 
 └ bbb

そして、基準に適合している課題を一覧化し、このPhaseで解決すべき課題を先に決めることで、このPhaseでは何をどこまでやらないといけないのかがより明確になり、施策立案もここに紐づくカタチでブレがなくなり、精度が高くなりました。

見せられないよ!!!
こんな感じになりました

工数の目安を決め、それに入る大きさで実装するルールをつくる

前々回のしくじりであった「1つ1つの施策が大きくなり、PDCAを回すのに時間がかかりすぎた」というのは、意識するようになっていたのですが、MVPとして検証できるレベルに成り立っているかは最低限担保した上で、明確にn週間以内にリリースできる大きさに分解して検証すると決め、運用するようにしたことで、施策本数が圧倒的に増加しました。

まとめ -教訓-

①大きく考えよう
 ・理想像は大きく、そしてチームメンバー全体を巻き込んで向かう方向を
  決めよう
②小さく分けよう
 ・理想像に近づくためのチェックポイントは優先度をつけ小さく分けて、
  リソースを集中させよう
③早く実行しよう
 ・施策を実行する際は最小の大きさにして、早く実行して、検証結果を
  得よう

もちろん事業や人の状況含めて常に当てはまるわけではないことは言うまでもないのですが、わりと同じ悩みを抱えている人も多いのかなと…!

長々書いてきましたが、上記は当たり前といえば当たり前の話だと思います。もちろん自分も理解しているつもりでしたが、現実の中で実行していくと色んな力学や状況も影響したりして、見えなくなったり、徹底できなくなるな、と。やはり真に痛みを感じないと本当の意味ではわかっていないと改めて実感する機会にもなりました。

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櫻井啓之
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