檸檬堂はなぜ売れたのか? -マーケティングの王道-
今週、「檸檬堂 こだわりレモンサワー」が生産が追いつかず、出荷休止というニュースが話題になっていました。初めてコカコーラからお酒が発売されるというニュースを見て驚いたとともに商品を見て「あ、売れそう...!」と思ったことを思い出しました。
じゃあ、「なぜ売れると思ったのか」。それを自分でも明確に言語化できていないので、深堀っていこうと思います。
商品をはじめて見たときの感覚
小並感激しいのですが、商品を選ぶときにはこの感覚がとても重要なので、ここを言語化していこうと思います。
1.あ、氷結とかと明確に違う
違うと思った感覚を深堀るために、まずレモンサワー(缶チューハイ)に何があるのかを整理します。まず、レモンサワーと言われたときに私が思い浮かべるのは、"氷結"です。だから、氷結というところに基準が置かれています。「キラキラでかっこええやん、オシャレやん」と大学生のときとか思ってました... あとは、ストロングゼロ。意外にビールなどと違って、種類は出てこず。
そこで売上ランキングを調べてみると以下の通り
※出典:https://www.nikkeimm.co.jp/tips/detail/id=1409
「こだわり酒場のレモンサワー」という商品が一番人気らしいです。知らなかった... これでレモンサワーの人気商品一覧が把握できました。
じゃあ、違うというのは、どこに対して思ったか。思い返してみると
と思った記憶があります。ということは
ということです。
この気持ちとお酒への志向性を軸に、パッケージなどから感じ取れる主観でマッピングしてみました。
「少量を楽しく飲みたい」というニーズを持っている人にとって、濃い(重厚)レモンサワーというカテゴリの選択肢がなかったことに気づきます。そして、檸檬堂はそこにハマるポジションっぽい。
一方で、ポジションにいるだけでは売れません。そのポジションに実際にニーズがあるかはわからないのと、もしニーズがあったとしてもそこにいることを補強して、伝えることが必要です。
そのポジションをちゃんと伝えられているの?ということを残り2つで見ていきたいと思います。
2.なんか美味しそう
私が感じた「なんか美味しそう」という感覚は、「なんかしっかり、濃い味がして、美味しそう」というものだったことが前項で理解できました。
では、それはどこから伝えられているのか。
それは、①「檸檬堂」という名前 ②デザインの2点でシズルがありました。
氷結が洋風で軽やかなデザインなのに対して、檸檬堂は和風で重厚なデザインで、全く逆のシグナルがあることにより、"これまでと全く違う美味しさ"を体験できそうと感じました。なので、商品自体できっちりポジション・提供価値を伝えられています。
また、宣伝・プロモーション施策(TVCM)を見てみても
これが、40代の男性への提供シーンであったり、場末の居酒屋のセットだったり、若手俳優(菅田将暉さんなど)の起用だったりすると、コミュニケーションがちぐはぐになりますが、ちゃんと一貫して提供価値を補強してくれています。
3.ダサくない
ダサいないというのは絶対的な感覚ではなく、相対的な感覚で、つまり"自分ごとになるか"ということだと思っています。
濃い、しっかりしたレモンサワーを飲みたいと思ったときに、"少量を楽しく飲みたい"というニーズを持った人たちに自分ごとにできるかという観点です。やっぱりその人たちにとって、「こだわり酒場のレモンサワー」はちょっと自分ごとになりにくい。
20代のOL女性や男子大学生がこれを持っていくのは、あんまりイメージがつきません。(もちろん「こだわり酒場のレモンサワー」はそこを捨てて、強いお酒を飲みたい、多くお酒飲みたいというニーズに向き合ってるので、どちらが良い悪いではないです。)
一方で、檸檬堂は、20代のOL女性や男子大学生も躊躇なくレジに持っていけるなあという感覚です。
まとめ
なぜ売れたのか?最も大きな要因は、ポジショニングです。
・「少量を楽しく飲みたい」人たちに向けた"濃い、しっかりしたレモンサワー"というポジションをつくりだした
・そのポジションをつたえる名前・デザインを見つけ出し、プロモーション施策もそれを補強するものになっている
この2つがしっかりブレずにハマっているから、売れていると思っています。見習いたいなと思う事例でした!
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