3歳までの脳育(2)
小学校低学年の頃だったと思いますが、日曜日に、お寺主催の子供イベントに参加した時のことです。「魚鳥木申すか申すか」のゲームがあり、魚鳥木でなくホテル名を聞かれて、ホテルを1つも知らなくて答えられなかったことを、悔しい想い出として覚えています。親や周辺から聞いていない(インプットのない)言葉を知らないのは当然で、言葉の数や知識を増やすには、言葉のインプットが必要だと思います。
3.赤ちゃんが言葉を覚えるためには、沢山の言葉のインプット(話し掛け)が大切
東京大学教授 針生悦子先生が書かれた本”赤ちゃんはことばをどう学ぶのか”(中公新書ラクレ)を読むと、言葉の獲得についての疑問に答えが得られました。つまり、赤ちゃんは自然と言葉を覚える訳でなく、お母さんや身近な人の会話の音の中から、相当な試行錯誤で言葉となる音の繋がりを見付けて、そして言葉に意味を関連付けていくということです。そのため、この赤ちゃんの作業には、沢山の言葉のインプットと、その意味が分かる物や動き、あるいは現象が必要となります。また、赤ちゃんが言葉を聞き分けられるように、静かな空間で話し掛けてあげる必要があると思います。
また、下記の参考記事に記載があるトッド・リズリーとベティ・ハートによる「The Early Catastrophe: The 30 Million Word Gap by Age 3」の研究結果によると、“親がたくさん話した家庭の子どもとそうでない家庭の子どもに比べ、学歴の高さや経済的な地位とは無関係によくできる”とあります。
これらより、毎日脳が成長している赤ちゃんには、毎日、沢山の量、多くの種類の言葉をインプットする(話し掛ける)必要があるということになります。これは、子育てしているだけで精一杯の親にとっては、簡単そうで難しいことですが、赤ちゃんの言葉獲得の苦労を思いやって頑張ることができれば、お子さんの脳の発達に役立つと思います。
参考記事:『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』3歳までの言語環境に、3つのTで(https://honz.jp/articles/-/44757)
3つのTとは、Tune In(注意とからだを子どもに向けて)、Talk More(子どもとたくさん話す)、Take Turns(子どもと交互に対話する)の3つの頭文字のTで、参考になると思いますので、上記参考記事を見てください。
(つづく)
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