3歳までの脳育(3)
よくあることと思いますが、近くのスーパーで幼稚園くらいの女の子を連れたお母さんを見かけました。レジ待ちの列に並んでいる間、少し前にいる女の子は、棚にある化粧品とか小物に何度も手を伸ばそうとしますが、お母さんがその度に触っちゃダメと叱ります。脳育的には、興味あることを広げられるように、叱らない方が良いと思います。でも、同じ状況であれば、どの親でも同じように子どもを注意してしまうと思いますから、何とか叱らなくて済むような工夫や、身近な人のサポートがあればよいなと思います。
また、いつもの散歩道で、小さな女の子を連れたお父さんが散歩していました。女の子は、一人で何かつぶやきながら歩いていますが、お父さんはスマホを片手に黙って子どもの側を歩いています。こちらもよくあるような日常だと思いますが、もし、親子で話しながら、虫や花を見付けながら散歩できたら、とても脳の発達に効果的な時間になると思います。
4.子供が主役、子供の興味に合わせる
皆さんにお勧めしたい本に、コミック版0~4歳わが子の発達に合わせた「語りかけ」育児 サリー・ウォード著、中川信子監修、一色美穂まんが があります。
赤ちゃんの言葉の獲得、言葉の発達のためには、沢山の言葉のインプットがあれば良いと思っていましたが、この本で、それだけでは足りないことに気付かされました。「語りかけ」育児のやり方自体は、ぜひこの本を読んでいただきたいのですが、小学館社HugKumの記事でポイントが紹介されています【イギリス発の語りかけ育児1】(https://hugkum.sho.jp/18179)【イギリス発の語りかけ育児2】(https://hugkum.sho.jp/18167)【イギリス発の語りかけ育児3】(https://hugkum.sho.jp/18201)。私が、特に注目したのは、88ページで、お父さんが子どもに「ボールだよ!!コロコロってしてみようか?」と言ったことに駄目出しされて、「子どもが今 何に関心を向けているかを見つけて、それについて話してあげるのよ。」という言葉があります。それ以外の部分にも、こどもの関心が今どこにあるのか、それに合わせることが大事で、無理やり関心を向けさせるのは駄目であると、繰り返し書いてあります。それはその通りだと思いますが、気を付けていないと、なかなか実践出来ないと思います。子どもに絵本を読んであげる時にも、親が選んだ本でなくて、子どもが興味を持って選んだ本を、興味を持っているタイミングで読んであげなければ、子どもの脳に届かないのだと思います。
5.親が言っていることが分からないければ、子供は言うことを聞けない。
もう一つ大事だと思ったことは、この本の118ページで、言うことを聞かない子どもについて「もしかして説明を理解できていないのかもしれないわね。」という言葉があります。
親の言うことに従うかどうかは別ですが、親が言っていることが分からないければ、当然ですが、子供は親の言うことを聞くことができません。それなのに、親はそのことを忘れて苛立って、子どもに無理に言うことを聞かせようとしてしまっているのだと思います。生活の中で、社会のルールや時間を守るために、子どもの行動を制限したり、変えたりしなければいけない時はどうしてもありますが、言葉が通じない状態で、引っ張ったり抱きかかえたりすると、子どもにとっては何か分からないことをされて、とても嫌な思いをしていると思います。そのため、早く言葉を獲得して、親が言っていることが理解できることは、子どもにとっても、安心で嫌なことが少ない生活が送れることだと思います。
(つづく)