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3歳までの脳育(1)

 この時期の子育てを振り返ると、毎日が本当に大変で、ただ育てるだけで余裕がありませんでした。しかし「三つ子の魂百まで」と言われはいましたが、3歳までの子どもの脳の発達が、その子の人生に大きな影響を持つことがはっきり分かっていれば、脳育を意識した親の関わり方を、もっとよく考えて育てればよかったと思います。そこで、今3歳以下のお子さんをお持ちの方に対して、役立つ知識があれば共有し、多くの親子が取り組める脳育活動を創造していきたいと思います。

1.脳の発達と脳育について

 昔から脳について聞いていたことは、20歳過ぎまで脳は発達し、それ以降はだんだんと脳が縮小すること、アインシュタインでも、脳全体の10%しか使っていない(ので、普通の人は、頑張ればもっと脳を活かせるはず)程度でした。

 最近は、脳について多くのことが分かってきており、ユニセフの世界子供白書2001〜幼い子どものケア〜の11ページ(https://www.unicef.or.jp/library/sowc/2001.html)において、3歳までに脳神経細胞が接続されてネットワークが構築されることが示されており、Newton別冊『脳とは何か』2019年12月発行では、一旦できた複数の脳神経回路から必要な回路が選択されていくことで、手先が器用に動かせるようになったり、早く反応できるようになったりすることが紹介されています。大事なのは、この脳回路の構築が幼い頃に出来上がり、一生使うことになるので、この時期の脳育が非常に大切であるということです。

2.脳育について

 近年のデジタル化により、本人のやる気次第では、JMOOC(https://www.jmooc.jp/)等で、国内外の有名大学の授業もインターネットで無料で学ぶことができる時代になりました。しかし、本人のやる気を育てるには、知力を高めるには、どうしたらよいのか?を考えていくと、乳幼児期の脳回路を発達させることに行き着きました。つまり、言葉を獲得することで自分でよく考えられるようになり、ドーパミン回路を構築してポジティブな思考になり、ワーキングメモリーを鍛えて日常活動を過ごし易くなることが、その後の基盤になると思われます。

 もちろん何歳になっても生活環境の影響はありますが、乳幼児期に脳回路を十分に構築してあげることができれば、困難を克服して生きていく上での大きな武器になると思います。

 乳幼児の親子に対して、脳科学を取り入れた教育方法を教えてくれる親子教室や幼稚園はありますが、それなりの費用が掛かります。しかし、乳幼児の教育に、そこまでお金を回す余裕がないご家庭でも、知っているだけで出来ることもありますし、きっと、それほどお金を掛けなくても、脳育に十分な効果が得られる活動を創れると思っています。

(つづく)




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