誰でも簡単に習得できるリズム
皆さんはフィボナッチ数列をご存知でしょうか。
これは13世紀のイタリアの数学者フィボナッチが発見した数列です。
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55...と続き、
前の2つの数を足して次の数を得る規則性があります。
この数列は最終的に黄金比（約1.618）に近づくことで知られています。
では、このフィボナッチ数列がタンゴのサリーダとどう関係し、
音楽とどのように調和するのでしょうか。
サリーダは通常8つのステップから成り立っています。
なので数えると8カウントになります。
この8つのステップの取り方を変えると、
5つのステップと3つのステップに分けることができます。
その取り方とは
「スロー、スロー、クイック、クイック、スロー、クイック、クイック、スロー」
となります。
スローは2拍を使い、クイックは1拍を使います。
したがって、スロー（2）、スロー（2）、クイック（1）、、クイック（1）スロー（2）、スロー（2）、クイック（1）、スロー（2）とすると、
合計12拍の音楽になりますが、ステップ数を数えると8になります。
これは、タンゴ音楽の基本的なリズムパターンと完璧に一致します。
タンゴの音楽は2/4拍子または4/4拍子で構成されており、
8つのステップをスローのテンポで行うと、
ちょうど1つの音楽フレーズと一致します。
この一致が、ダンサーが音楽に乗りやすくなる理由の一つです。
さらに興味深いのは、
これらの数字がフィボナッチ数列の一部（3, 5, 8, 13）と一致することです。
3（クイックステップの数）、
5（スローステップの数）、
8（全ステップ数）、
13（音楽の拍数）という具合です。
この数学的な調和が、
タンゴの音楽とダンスの間に生み出す独特のリズム感と流れは、
多くのダンサーを魅了してきました。
サイドステップから始める場合と
後ろから1歩下がるステップから始める場合で比較すると、
音楽のフレーズとの調和の仕方に面白い違いが生まれます。
後ろから下がるステップから行うと、
ちょうど足を揃えるところが音楽のフレーズの終わりと一致し、
音楽との一体感がより強く感じられます。
このリズムパターンはメディアルーナ（半円）にも適用できます。
女性のステップはスロー、スロー、クイック、スローとすることで、
1周が完成します。これもまた、音楽の4拍子と完璧に調和します。
初心者にサリーダを教える際、
この「スロー、スロー、クイック」のリズムパターンを強調することで、
音楽のリズムを体で感じやすくなります。
プラクティカ（タンゴの練習会）でこのリズムを意識して踊ることで、
音楽との一体感をより深く体験できるでしょう。
このように、
タンゴダンスには数学的な美しさと音楽的な調和が隠れています。
フィボナッチ数列との関連性を意識しながら踊ることで、
タンゴの奥深さをより
新しい視点からタンゴを楽しむことができるかもしれません。
ぜひレッスンやプラクティカでこの関係性を意識して練習してみてください。
タンゴの数学的・音楽的な魅力を、身体で感じてみましょう。
GYU