パーソナルジムに通い始めて食欲に出会った話
私は小さな女だ(英語のテキストに載っているような一文)。
決して華奢なわけではない(残念)が、身長が低い(不便)。
オンラインで顔合わせした人に実際に会うとき、
必ずと言っていいほど「想像よりも小さいですね」と言われる。
私の小ささは、幼いころから食が細かったことから来ていると思っている。
それに加えて、中高生にありがちな、カロリー摂取を過敏に気に掛ける性質で、食べることにポジティブな印象はなかった。
成長していく中で食べる量は増えていったが、
食べること自体に楽しみは薄く、
母の出してくれた料理を、出された時間に出された分だけただ食べていた
(好きな料理はあったけど、ただ食に無関心だった子ども時代)。
その当時の私は、
コンビニスイーツなどの季節の新商品に興味はなかったし、
お小遣いを食べ物に使っていた時代を過ごしていたという当時の恋人にも
共感はできていなかった(素敵だとは思っていたけれど)。
そんな私が2021年、20代のいい大人でありながらやっと
食欲に出会った。
始まりはパーソナルジムに加入したこと。
プロの手を借りて身体を引き締めたいと思い入会を決意した。
お世話になるのは、パーソナルジムと言えば、の例のジム。
トレーニング(パーソナル・マシン)+食事管理
で結果にコミットしていく方針だ。
避けたい食材・摂りたい食材のレクチャーは事前に受けていたから、
そこを意識して3食自炊の生活。
まずは脂肪を落とすために糖質制限をしていく期間。
脂肪を落とすといっても極端に食べなくなるわけではない。
意外と食べられるんだというのが正直な感想。
ただそれは元々食が細めの私だからそれほど辛くなかっただけで、
たくさん食べる方なら辛いかもしれない。
カロリーは基礎代謝で消費できる分+αをアプリで管理しながら摂取する。
毎食毎食、
「この食べ物らに生かされてるんだ…!」
と感慨深い気持ちで食べ物たちと向き合っていた。
このあたりから食べ物への関心が高まっていく。
だって3食作ってるんだもん。
その3食が私の血となり肉となり、私を稼働させてると思ったら、
それはもう、毎食が愛おしく感じるわけで。
ある程度脂肪が落ちたところで、脂質制限のフェーズに突入。
ここで糖質制限が緩和され、穀物や果物が少し摂取できるようになる。
ここである。
ここが私と食欲の出会いとなる。
(糖質制限期はあくまで予兆)
久しぶり(たしか2か月ぶり?)の糖質との出会いで、
それまでの食との向き合い方ががらりと変わった。
久しぶりの果物・穀物(最初は玄米に絞っていた)は
それはそれは、それは美味しいものだった。
おかずが無くても、もうご飯単体で美味しい。
一口ごとに噛みしめ噛みしめ、
食べられることへの喜びを存分に感じていた。
パーソナルジムを始めて、食事制限を始めるまでは
気づかなかった感情だ。
食べ物へのありがたみも変わった。
食事の際には美味しさのあまり、
農家の方へ思いを馳せてしまうこともしばしば
(「私が作りました」の写真が掲載された食材を買うことが増えた)。
食欲とか食べ物のおいしさに出会って、
世界がよりきらきらしたものになった。
今の悩みの一つが「世の中に美味しいものが多すぎる」こと。
ボディメイクと折り合いをつけながら、
今日も私は食事を楽しむ。
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