2021/10/17 水を当たり前のものとしないように。。
本紹介します!
橋本淳司さんの著書「水がなくなる日」を読みました!
日本を含む世界各地で起こる水問題の現状について、絵やデータを使って分かりやすく書かれた本となっています。
ニュースで水資源の問題について取り上げられた際、コメンテーターとして著者が招かれていたのがきっかけで、著書に興味を持ち手に取りました。
水問題について初めて知る内容がたくさんあった中で、特に印象的だったものを取り上げたいと思います。
まず、トイレを所有する割合よりもスマホを所有する割合の方が高い国があり、そういった衛生環境の未整備による世界全体の経済損失は22兆円だということ。
最近急成長を遂げる国、インドでさえそういった衛生環境が不足している状況であり、野外排泄をすることが当たり前になっているといいます。
経済的損失の多くは子供の死など、人に関するものが主だっていて、金額に表れない家族の心理的負担も大きいものがあります。
水資源に比較的富んでいて、衛生設備の整う日本からするとあり得ない状況ですが、他国では日本の当たり前が通用せず、水に関わるものだからこそ深刻な問題になっていることを改めて認識しました。
次に、水資源に大きく関わる森林資源について。
水資源に富んでいる日本と書きましたが、実はそう悠長に語っているわけにはいかない事態に陥っています。
なんと、日本の森林は外国に買われており、2016年には1年間にTDL15個分に相当する面積が買われているという事実があるのです。
農水省が2010年から公表し始めた外資による山林買収状況によると(累計値)、2010年は43件、831ヘクタールだったのが、2020年には465件、7560ヘクタールと10年間で面積は9倍に拡大しているそうです。
実は、この「土地を買われた」ことを「水資源の争奪」と解釈できるのです。
なぜなら、森林を取得した場合、保安林等の法的規制がかかっていなければ、所有者は比較的自由に開発でき、木を伐採してもよいし、温泉を掘っても、地下水を汲み上げてもいいと考えられているからです。
日本にある水は自ずと「日本人のもの」と思うのが、実は当たり前ではなくなってきているという事実を、我々は認識しなければならないでしょう。
戦後、石油資源をベースに世界は経済発展をしてきました。
石油不足という課題が表出しやすいのはここしばらく変わっていないですが、同時に現代では水問題が深刻を極め、水資源をめぐって紛争などのトラブルが後を絶たない状況になっています。
この本を通じて、水問題を通じた世界の見方をアップデートすることができました。
時代は水資源だということを認識して、日本にいながらでも水をより大切に使うところから意識したいものだなと考えます。
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