無実の餃子
さてさて第二回、餃子小咄ですよ~!お集まりくださーい!
随分と間が空いてしまいましたが、今回は予告通り「餃子、人殺しのおばちゃん呼ばわりされる…?」の巻!
餃子絡まれ伝説の中でも一二を争う狂人回!もちろん餃子は無実の一般人ですので安心してご覧ください。
尚、写真はまたカプリコのお顔が出たのでお裾分けです!良いことがあります!
あれは第1回緊急事態宣言が発令された頃に遡る。
今思えば感染者もまだまだ少なく、この長きに渡るウィルスとの闘いのほんの序章に過ぎなかったが、当時は目に見えないウィルス、生活の急変、先の見えない不安、慣れないマスク生活、手に入らないマスク…何だか世間がイライラし始めていた。
弊社は小さなオフィスビルに入っている。
麗らかな昼時、外出すべくビルの出入口の自動ドアを出ようとしたところ、このビルで働いているだろう若い男性が入れ違いに入ってきた。
小さな自動ドアで、入れ違いになる時はお互い譲り合うのが暗黙の了解だが随分早足に強引に入ってきた気がした。ん?と思いながら出たところでオバサンが彼の背中に向かって何かしきりに叫んでいる。
なるほど、さっきの彼はこの人に絡まれ逃げるように入ってきたのかと瞬時に理解した。こちとら伊達に人に絡まれてきていない。
(可哀そうに)と思いつつこういう時は目を合わせないのが一番、と通り過ぎようとしたら突然私にロックオンした。なんでだよ!涙
「わ~!人殺しのおばちゃんが出てきた~!」「人殺しのおばちゃーん!」「よう肥えとるな~!」「人殺しのおばちゃーーーん!」
は?私は当然人を殺してないし、おばちゃんでもない(お前から見れば)、確かに小柄で細身のお前からすれば肥えているかもしれんが…!ってなんなん!(ここはあまり言い訳出来ない模様)吐いた言葉の全て要らん事しかゆーてないやん!なんやコイツ!
でも無視無視、とその場を立ち去った。
・・・・つもりが何だか声の大きさが変わらない。
恐る恐る振り返ると
ついて来とるーーーwwwwwww
マジなんなん!?ピタッとゼロ距離でずーっと人殺しだなんだと言われて付きまとわれていた。ビル内には入っちゃダメって常識?はあるん?でも外なら付け回せるん?なに?
私が気付いたと分かると
「録音するか?しろ!動画撮れ~!」
と騒ぎだした。え?どんな願望?せんよ?なに?してほしいん?(困惑)
周りには結構人がいたが誰も助けてはくれない。きっと私も同じ状況なら見て見ぬ振りしちゃうので仕方ない。涙
しかし、無視が有効だったのかビルから少し離れた辺りで突然つきまといは終了した。時間にして5分もない一瞬の出来事だったが、永遠の様に長い時間に感じられた。小心者の心臓はバクバクと騒いだままだった。
帰社し、ちょうど同じ頃ランチに出かけたおじさん達に、下に変なオバサンいましたよね!?と聞いたが誰一人として見ていなかった。私しか見ていない幻だったのだろうか。
当然人殺しなどしていないのでどうでもいいが(良くない)私としては、例えば友だちの子どもに餃子おばちゃん💕て呼ばれたら、はいはいなあに?プリンセス買ったろか?とデレデレするが、私より年上の見知らぬ人から突然おばちゃん呼ばわりされる筋合いはない💢
あのオバサンより年上だろう弊社の偉い人なんて私の名前覚えられないから「お嬢さん」って呼ぶんだよ!?(それはそれで)
今回のパターンは前回のような精神の修行ではなくシンプルな狂人だったと思われる。血液型ポテト教が可愛く思えるね。
どちらにしても知らん人にラフに声かけんな💢ましてや人殺しなんて💢
まぁ何が怖いってそのオバサン会社近辺で過去に何度かすれ違ったことがあるんだよね。どこの誰かは知らんけど見た目が特徴的だったので記憶に残っていた。その時は騒ぐことも誰かに絡むことないタダの通行人だった。
オバサンに一体何があったんだろう。あれから一度も見かけていない。
私の前の人にも人殺しと言っていたんだろうか。
彼は、おじちゃん、と呼ばれたのだろうか。
私は一体誰を殺したんだろうか。
春はおかしな人が増える。みなさんも気を付けましょうね。
【次回予告】
ナンパされる餃子、の巻
また見てくれよな!
おわり