横着、つまらん、ナイロン袋~私が出くわした「方言」の珍事件簿
何度か書きましたが、不肖は九州・福岡県の出身です。もちろん子供のころは博多弁で話していましたし、今でも福岡に帰るとそうします。
お国言葉というのはどこにでもあるのですが、どうも「方言」というのとは違う言葉の用法があることに気づきました。
横着
福岡では9割がた「生意気」という意味で使います。「あの横着もんが」という悪口を聞くと「挨拶もしないのかな、それとも偉そうな物言いをする人かな」と思ってしまいます。本来は「やるべきことを怠る」ということですね。
つまらん
福岡では禁止を表すときにも使います。
生徒 おなかが痛いので帰っていいですか。
先生 つまらん!
これは「帰宅を許可しない」という意味です。「面白くない、退屈だ」という用法よりはるかに頻用されているはずです。
汽車
僕にとって福岡県内のJRの線路を走る車両は、すべて「汽車」であります。鹿児島本線はもちろん電化されていて、近代的な車両が走っています。それでもあれは、僕にとっては「汽車」です。
では「電車」とは。これは西鉄大牟田線のことです。今後JRにいかなるハイテク車両が投入されても、何の意味もありません。
ナイロン袋
家庭用のゴミを捨てたり、コンビニで商品を入れてもらう袋のことを何と言いますか。「ビニール袋」あるいは「ポリ袋」でしょう。
京都ではなぜか、あれを「ナイロン袋」といいます。
友 人の奥様が京都のご出身なので、彼に伝えて聞いてもらったところ「何がおかしいん、標準語ちゃうの!?」とのことでした。
ちなみに彼女はある地方都市で、テレビのアナウンサーとしてご活躍でした。
それも生活情報番組の司会として。
本番中に「とっても便利なナイロン袋のご紹介です」などと口走っていなかったことを、今となっては祈るのみです。