スイッチヒッター
生まれついてせっかちな性分の不肖は、ついつい早食いになってしまいます。
するとある雑誌に
「利き手と反対の手に箸を持って食べるといい」
と書いてありました。
なるほど。
すぐに実践し始めました。
確か初めて試したのは、奈良県内のファミリーレストランだったと思います。
大の苦手であるナイフとフォークを左手で使いながら食べると、これが何とも良い感じ。ご飯もハンバーグもポロポロとこぼれ、箸で食べるよりもはるかに時間が掛かります。
悪戦苦闘しながら口に運んでいるうちに、20分くらい過ぎていました。「よし、これで早食い克服だ！」と快哉を叫びました。
ところが…。好事魔多し。
三日もしないうちにコツをつかんだ不肖は、左手でやすやすと箸を使えるようになりました。最後はしょうがを薄く伸ばし、冷や奴を割って食べるまでになりました。
すなわちまた早食いに逆戻り。ストレスがたまるだけだから、また右手で箸を持つことにしたんです。
「この器用さが仕事に生きればな」と思いますが、思いっぱなしであります。
