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now and thenは聞きましたか。

連日の戦争の報道に、世界の現実に、見せられたくない自分の無力さを知らされます。
森達也さんの『福田村事件』見て来ました。人間のいのちの現実を知らされました。このことは、今はまだうまく書けないので、書く気になったらそのうち書くかもしれません。


如来さまが私のいのちにご一緒下さいます。
そのことを教えてくださいましたのがお釈迦様でした。

ある日お釈迦様のお弟子の1人、阿難尊者が光り輝くような喜びにあふれたお釈迦様をご覧になります。阿難尊者は言葉を尽くしてお釈迦様を讃嘆され、素晴らしいお姿をとられているその訳を尋ねられます。

そうするとお釈迦様は、阿難尊者に
「あなたはその問いを、天人に言われて私に問うているのですか、それとも自分自身で私に問うているのですか」
と聞き返されます。

阿難尊者は
「天人が私にそうさせたのではなく、私自らの問いです」
とお答えになり、
「よくぞ問うてくれた。私はこのことを説くためにこの世に生まれてきたのだよ」
と阿弥陀様が法蔵菩薩の名の下にご修行され、すべてのいのちを救うご本願を完成されたことをお説きくださいます。


物事にはタイミングがあります。

少し前に、母を前に朝食をとっていた私は、父の行方が気になりました。掃除しとるんやろうか、それとも本でも読んどるんやろうか。母に尋ねます。

「父ちゃんはどこ行った?」

母は忙しそうでしたから、私の声がよく聞こえなかったようです。

「何て!」

と聞き返されました。
私も実際のところ、父の行方などそれほど重要な問いではありませんでしたから、聞き返す気にもなりません。なりませんが、母が聞き返したのを無視する気にもなりませんから、ついでに日頃の感謝でも言うてみてはどうかと思いつきました。

「母ちゃん、生んでくれて有難う」

「のぼすんな!(のぼせるな)」

と背中を叩かれました。


物事にはタイミングがあります。

ご存じの方も多かろうと思いますが、先日The Beatlesの名の下、新曲が発表されました。何を言うとるんだビートルズは50年も前に解散しとる。第一、ジョン・レノンも亡くなった、ジョージ・ハリスンも亡くなった。新曲が出せる筈が無いじゃないか。と思われる方もいらっしゃるでしょう。私もそうでした。でも、ビートルズの新曲『Now And Then』は発表されました。

どうやら、ジョンレノンさんが生前ピアノと一緒に歌いながら録音していたものを再構築して作り上げたもの。公式YouTubeの動画を見ていると、1990年代に生きていた3人が集い一度は同様に作曲を試みたようですが、ピアノの音と、ジョンレノンさんの歌声を綺麗に分離させることが出来ず、計画は頓挫したとのこと。

時は流れジョージさんも亡くなり現代になって、ようやく音源を分離するAIのシステムが実現され、この度の作曲、発表になったようです。

ビートルズ当時を知らないながらも、私はビートルズが好きなもんですから、この時代にジョンレノンさんの声で新曲が聞けるとは奇妙なものだなと、嬉しくNow And Thenを聞いておりました。

ふと、なぜこのタイミングでの発表だったのだろうかと思わされました。

もちろん技術の発達はあるでしょう。しかし、告白を歌い、すれちがいを歌い、嫉妬や失恋、平和を歌ってきたビートルズ…色々な愛を歌い世に届けてきた彼らの沢山の曲が頭を巡ります。

なぜ、今、だったんでしょうね。


話を戻しますが、お釈迦様に「今日のお釈迦様はいつにもまして喜びに満ちているようです」と問いを立てられた阿難尊者は、この時は未だ阿羅漢のさとりには到達していなかったと聞いています。

その、阿難尊者が光り輝くようなお釈迦様をご覧になり、問いを立てたことが、弥陀成仏の因果を説く時が満ちた、ということなのだろうと先日講義中にある先生が話しておられました。

よくぞ聞いてくれた阿難よ。私はこのことを説くために生まれてきたのですよ。これまであらかた自力の道を説いてきたけれども、今こそ全てのいのちが等しく救われる道を説きましょう。時は来たのだと、突然寒くなったお朝事に、『仏説無量寿経』の中にお釈迦様出世本懐のお経と言われる部分を味わうことです。

ナンマンダ

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