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「行政事件訴訟法」に関する肢別問題10選


以下は、「行政事件訴訟法」に関する肢別問題とその解説です。


問題1

以下の記述について、正誤を判断しなさい。

取消訴訟は、行政機関が行った処分に違法性がある場合にその取消を求める訴訟である。行政事件訴訟法においては、原告となるためには、処分によって直接的に法律上の利益を侵害された者でなければならないとされている。一方で、処分が間接的に利益を害する場合や単なる事実上の不利益を被った場合には、原則として原告適格が認められない。ただし、原告適格の判断基準については、判例の積み重ねによって柔軟に解釈される場合もある。

解答:正

解説:
行政事件訴訟法第9条に基づき、原告適格は「法律上の利益」を持つ者に限られます。間接的利益や事実上の不利益は原則として適格が認められませんが、判例によって例外的な解釈がされる場合もあります。


問題2

以下の記述について、正誤を判断しなさい。

行政事件訴訟法では、取消訴訟を提起するための出訴期間が定められている。具体的には、処分があったことを知った日から6か月以内に訴えを提起しなければならず、この期間を経過した場合には原則として提訴することはできない。ただし、処分の日から1年を経過していない場合で、原告に正当な理由が認められるときは例外的に提訴が許される場合もある。これに対し、処分の日から1年を経過した場合には特別な事情がある場合を除いて訴えを提起することはできないとされる。

解答:正

解説:
行政事件訴訟法第14条では、出訴期間は「処分があったことを知った日から6か月以内」と規定されていますが、処分の日から1年を経過した場合には特別の事情がない限り訴えを提起できません。


問題3

以下の記述について、正誤を判断しなさい。

義務付け訴訟は、行政機関が法律に基づいて実施すべき義務を怠った場合に、その行為を義務として実施するよう求める訴訟である。たとえば、建築許可の申請を行ったにもかかわらず、行政が正当な理由なく許可を出さない場合には、申請者は義務付け訴訟を提起して行政に許可を行うよう命じることができる。ただし、行政機関にそのような義務が存在しない場合には義務付け訴訟は提起できず、救済は他の法的手段によることとなる。

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