傾聴
人生の先輩方には自分なりに敬意を払います。
ただ、先輩方にはやはり色々な方がいらっしゃいます。
お客様の層は良くも悪くもそのお店の「価格帯」が左右する場面は少なくないと感じます。
言葉を選ばずに言うと、質の良いお客さまはある程度の高単価のお店に集まると思うのです。
会社時代の経営店舗の中で最も高単価だったのは日本酒専門バルでした。
それでも3800円。大衆居酒屋よりも若干高いぐらいです。
日本酒専門店ということもあり、年配層が多かったそのお店には色々な人生の先輩がご来店されました。
紳士な方もいらっしゃるのですが、初めから命令口調でスタッフを奴隷扱いする方が多くいらっしゃいました。
不思議なことに若いお客様程礼儀正しく、年配層程そのような方が多かった記憶があります。
現在のぎょうにんべんの単価はその日本酒バルの1.5倍以上あります。
結果、そういう先輩はほぼいらっしゃいません。
これは有する資産の問題というよりも、ご来店されるまでの「ストーリー」を店側が設計しているかどうかの問題だと思っています。
どのような目的で、どのような感情で当店の扉を開けるかをイメージする。
そのストーリーデザインのひとつの要因として「単価」があるだけだと考えています。
目立つ路面店の大衆単価のお店は、僕では「入りやすさ」以外のストーリーは考えれらなかった。
結果、そのようなお店が多かった弊社は倒産。
ぎょうにんべんで最も大切にしているのはその「ストーリー」です。
それが崩れる可能性のあるものであれば、たとえかなりの収益のものであろうが全て排除しています。
高田純次さんは言っていました。
年寄りがしてはいけないこと。
「昔話」「自慢話」「説教」。
いつか自分が先輩方と同じ年齢になった時。
自分より若い、種として優秀な方々の言葉に耳を傾け続けられる。
それが僕の今の老後の理想です。