運命の息づかいが聞こえる
難しい道を辿ってきた
もっとやるべきことが 他にあったかもしれないけど
旗のような 電灯のような
高いところから
なにかに見下ろされている気がして
夢中になること
自分の存在を
だれかに知ってもらうために 声を出すこと
さみしさは心を滅ぼすだろう
でも もし心がなかったとしたら
梯子のない出口の前で
立ちつくすことを 選ぶだろう
見ていない景色のことは わからない
街の音が聞こえる
車がブレーキを踏む音
誰かに会った誰かのあいさつ
改札を出るときの 短いさよなら
全部を知っていれば
生きていることと 同じなのだろうか
運命の息づかいが聞こえる
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