提案が通らないのはなぜか?
全体最適の行政マネジメント研究会 行政課題解決セミナーレポート
2024年6月17日 オンライン開催
ワークショップレポート
今回のワークショップでは、参加者から行政課題を募集し、ワークショップを実施しました。
行政課題 DXを原課で実行する段階で生じる「総論賛成・各論反対」
全国の自治体で進められているDX。そのDXの旗振り役であるDX担当課は、現場にDXを下ろしていく段階で、「そもそもこれをやる必要があるのか?」などと抵抗され、その対応で職員が消耗してしまう。スムーズに進める方法はないか。
というお悩みでした。
(岸良)このようなDXを進める時に現場から抵抗されることは、行政だけではなく民間でもよくあります。問題に直面したときに、どのTOCの公式を使って問題解決しようかと考えると思います。皆さんだったら、どの公式を使いますか?
UDE-DE、ミステリー分析、ネガティブブランチ、変化の4象限、、、
参加者の皆さんが、使う公式のアイデアを答えていきます。これらの公式は、これまでセミナーで学んだものです。
(岸良)TOCはどの公式もコアの問題を取り扱うし、問題を正しく定義できるので、実はどの公式を使っても、正しく結果が出ます。今回の相談は、取組みべき課題が明確なので、問題を整理するのではなく、変化の4象限がいいのではと思いました。やることのメリット、デメリット、やらないことのメリット、デメリットが明確になり、4つの全ての場面を語れるようになります。
ワークショップが始まりました。
DXを進めるメリット、デメリット
DXを進めないメリット、デメリットを
付箋にまとめます。
(岸良)DXを進めるデメリット、進まないメリットをみると、相手の立場からすると、やらない方がいいのかな~と思うのではないでしょうか?
行政ニーズの多様化で業務が複雑化し、一方で人口減少等によって行政職員の確保が難しくなる中、DXを進めないとどうなるか。デメリットを整理すると、「職員が減ることに対して対応しきれない」、「行政サービスに遅れが出る」、「優秀な人材が来なくなる」などのマイナスが次々と明らかになり、やった方がいいと思えてきます。
(岸良)このように、変えることのメリット、デメリット、変えないことのメリット、デメリットを明確にして、議論することが大事。
変えないと言っている抵抗勢力が考えているのは安全を確保すること。
まず、安全を確保することが、変革を起こすときに何よりも大事なことです。すなわち、変えることのデメリットを消して、安全を確保してあげることで、喜んで変革に応じてくれるでしょう。
また、ネガティブを言っている人は、やることを前提にして考えています。
やることを前提にしている人は、抵抗勢力でしょうか?
人は、危険を察知する能力が高い生き物であり、ネガティブを言う人は、やることを前提にデメリットを予想し、教えてくれる、応援勢力というべきである。
今回の学び
相手のことを考えて作ったプランだとしても、手段を提示したとたんに、相手から反発を受けてしまうことは、本当に良くあることです。相手の立場になって考えることは、本当に難しいこと。
相手から懸念が出てきたときは、あらかじめ危険を教えてくれているのだと受けとめ、一緒になって変化するデメリットを消す方法を考えて、相手の思い込みを消すことが、プランの成功確率を高めることにもつながる、まさにwin-winの問題解決ができる公式だなと実感しました。
講師・ファシリテーター
株式会社Goldratt Japan CEO。全体最適のマネジメントサイエンスであるTOC(Theory Of Constraint:制約理論) をあらゆる産業界、行政改革で実践。最先端のTOC知識体系の、「楽しく」、「わかりやすく」、「実践的」な講義と、参加者をワークに集中させるファシリテーションから、たくさんの学びが得られると大好評である。
全体最適の行政マネジメント研究会
全体最適のマネジメント理論TOC(制約理論)を活用し、「お金を使わず 知恵を使って」を合言葉に、行政、民間の参加者が垣根を越えて、日本をよくするために知恵を出し合い、問題解決に取り組むNPO法人。そのセミナーは、身近な行政課題を題材に、TOCを実践的に学べる場となっている。
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