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「気骨溢れる劇画家」・・・白土三平氏逝去
毎月のように、歴史に名を遺してきた漫画家の方々が亡くなっていく。
先月のさいとうたかを氏に続いて、今度は、白土三平(しらと さんぺい)氏だ。
忍者漫画と言えば、この人。
「サスケ」「ワタリ」「カムイ伝」。枚挙にいとまがない。
代表作「サスケ」では、様々な忍術の原理が紹介され、
読者の興味を誘った。
例えば、ピラニアの棲む池の底にある宝石を取る方法を
皿とろうそくとコップを使って原理の説明をしていた。
私は子供の頃、実際に試してみた。
簡単にその方法を紹介すると
①皿に100ccほどの水を入れる。
②その真ん中にろうそくを立て火をつける。
③コップを逆にしてその上に持っていき、少し温める。
④コップをろうそくに被せるように皿の上に置く
⑤皿の水がコップに入っていく。
温められ、膨張したコップの中の空気が
コップをかぶせてろうそくが消えることで収縮し、
その時にコップの水を吸い上げるのだ。
実験は成功した。
確かに池の水(皿の水)はコップの中に吸い上げられた。
すっかり白土三平作品に魅入られた私は、
その後「カムイ伝」「ワタリ」などの作品を読破していった。
白土三平氏について、あまりマスコミは取り上げないが
映画「ワタリ」やTVアニメ「風のフジ丸」などにおける
トラブルによって、映画会社を信用しなくなり、
「おたくとは今後一切縁を切る」と言って実際に絶縁して
しまった気骨の持ち主である。
しかもその理由が、「最も大事にしている“階級解放闘争”に
関する内容が削られていたから」というもので、
強い反骨精神の持ち主であること分かる。
これほど社会への問題意識を持った作家は
この先現れるのであろうか。
いや、作家にだけ責任を負わせるのではなく、
市井の人々が、日常から問題意識を持つことが大事なのであろう。
おわり
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