
「受け入れる? 受け入れさせられているんだ!」・・・そんな思いが伝わってくる。舞台「隧道(トンネル)」。
劇団 ZERO-ICH 第 19 回公演「隧道(トンネル)」
昨年末に行われた公演を出演されている外間愛彩さんに案内されていたのだがお伺いできず、配信での鑑賞となった。
「藝術の力で何かを変えられる」そう考えるあの友人が近くにいたのは
ずいぶん昔の事だと思い出させてくれた。
近年流行りの「事故物件」をモチーフに取り入れることで、物語に意外性と展開の自由さを取り込んでいる。
押入れがどこかに繋がっている、という設定は多くの作品で使われているが、この作品では繋がる先は決してお花畑ではない。
沖縄と言う題材を、ただ暗く描くだけではなく、
次々と展開する幸福で活気のある風景が、
一気に裏切られる展開が、決して絵空事ではなく、
現実と地続きであることを否応なく感じさせてくる。
三方向に観客席を用意してあり、配信は無観客だが、実際の公演では、その向こうに芝居(現実の沖縄を想起させる舞台)を見ている観客の視線を感じるだろう。
そしてそれは、翻って自分自身を見つめる目になるはずである。
「受け入れる? 受け入れさせられているんだ!」そんな思いが伝わってくる明るくも骨太な作品。
配信は2月末まで行われているので、お時間ある方はぜひご覧いただきたい。
「隧道(トンネル)」 ★配信チケットのチケット予約・購入・販売・情報 | カンフェティ

いいなと思ったら応援しよう!
