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心は悲鳴を上げながら、それでも次を目指す・・・「おどる葉牡丹」JACROW
JACROW #36 「おどる葉牡丹」。「座・高円寺1」にて12日まで。
政治家などをモチーフに骨太の芝居を作り上げてきたJACROWが、
女性しか出ない演劇を作ると言うので、まず興味が湧いた。
これまで何本かJACROWの芝居を見て、
そのモチーフとなってきた昭和の政治家たちの物語の中で
女性たち、政治家の妻たちの在り方には少しもやっとする所があった。
勿論、あの時代(つい最近か今でも)には、女性たちはあんな風に扱われ、もがきながら生きていったのだから、どうこう言うつもりはない。
だけど、今回は違う。
舞台は百木市という架空の地方都市。どこだと類推できるけども架空の政党。登場人物も架空の人々であるので、実に作者の筆が軽快だった。
出演者によると、ホンが遅くて心配になったそうだが、そんな苦労が霞んでみる程、良かった。待った甲斐があったと思う。
(ここから少しネタバレします。)
この架空の都市の市議選に立候補する候補者の妻たちが、登場人物。
妻だけしか出ないで、夫と会話しているところでも、相手は登場しないが、受けの会話で見事に夫の存在を表現している。
それでいて、十二分に議員宅の生活感というか、人物の呼吸まで伝わってくる。
きっと実際の妻たちも、こんな風に神経質になったり、ののしり合ったり、達観したり、、諦めたりしながら生きているんだろうな、と感じさせてくれるのだ。
(もし夫たちがあの場で何と喋っていたのか知りたい方は、会場で売っている戯曲を買われると良いだろう。)
物語は、そのような議員の妻たちが、
協力し合って選挙に挑む夫を応援していく。
ところが、一見仲良くやっているように見えた議員の妻たちが、
SNSに端を発した醜聞で、スキャンダル合戦(というか口喧嘩?ののしり合い?)に発展し、それまで裏に秘めていたお互いのことが次々と吹き出し、集団は空中分解してしまう。
そうなってからの後半部は、さらに目が離せない。
女たちの心情をえぐり取るようなセリフが目白押し。
男たちの性情を語るようなセリフも登場し、次々と心に突き刺さってくる。
どろどろとした嫌な事だけではない「妻たち」の世界にたっぷりと浸かってしまおうと思っているうちに、終幕となる。ああもう少し観ていたい・・・そんな芝居だった。
12日まで。東京高円寺の「座・高円寺1」で上演されているので、気になる方は是非。
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追伸。
今回は、出演者の駒塚由衣に誘われてお伺いしました。
この芝居、舞台下手にも観客席を設けていて、
駒塚ファンの方は、
この舞台下手に設けられた客席を選ばれるのが良いでしょう。
駒塚さんの良く通る歌声が正面となり、心地よく心を癒してくれますから。
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