「葛飾ナンバー」・・・コメディ作家の挑戦。
「葛飾ナンバー」 ARP公演 下北沢小劇場
作者のA・ロックマンは、脱皮しようと目論んでいる。
これまでのような、ツッコミの連発で引っ張っていくコント仕立てのシチュエーションコメディでは飽きたらなくなったのかもしれない。
今回は、映画「ソウ」のような密室型閉じ込まれ型のSFチックな作品である。
随所にくすぐりを入れ、笑いを拾いながら物語を展開していくという劇団の魅力は変わらず、そこに密室劇的なホラー?の要素を絡めている。
果敢な挑戦ではあったが、登場人物が15人というのは、
密室劇には多いように思う。
密室を三つにしたり、ペアを組ませることで、キャラクターを
まとめ上げているが、15人の扱いに苦労しているのは見ていてわかる。
登場人物に感情移入する時間がないし、感情移入しても、その後の活躍が無いと消化不良になる。
個人的には、期待の野良のリオさんの活躍するパートが
もう少しあってもよかったのにと思った。
ただの不細工いじりに終始する感じが、本当にもったいない使い方だ。
もうひとつ、今回はスケジュールの都合で劇場にお伺いすることができなかったので、配信で拝見したが、
カメラが1台だけだったので、舞台全体を把握したり、肝心なところで、役者の表情を追えなかったりして、やや残念だった。
以前にも書いたが、この劇団だけでは無いのだが、最近予算がないのか配信をカメラ一台だけでやることが多い。
ずっと舞台全体をロングショットで映すだけで、
役者の表情が分からなかった配信や、
ズームなどのカメラワークを使ってもやはりカメラが芝居を
捉えきれなかったりする配信もあり、見ている方の集中力が切れる。
最低でも2台用意してもらえると嬉しい。
基本的な3台で生配信が難しければ、
生配信ではなくアーカイブを作ってしっかりと編集した後に
配信する方が、舞台の印象も良くなると思うのだが。
カメラマンが1人きりでも2カメや3カメで撮影する事は不可能ではないので、ちょっとそういう風なことをやってきた者としては、もう少し配信について考慮して貰えると、ありがたいと思う。
挑戦は、どのような芸術にも必要だと思う。
新しい試みに挑戦しているロックマン。
次のアプローチがどのようなものであるか楽しみである。
おわり
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