「ドタキャンの穴を埋めろ」・・・キャスト未定。撮影できるのか?
映画「静かに燃えて」撮影裏話その4
「え?出られない?」
掛かって来た電話は、出演者の一人が
もろもろの都合で出演できなくなったというものだった。
もうクランクインまで時間がない。撮影をしながら、
出演者を手配する事になったが、撮影中も油断は出来なかった。
使われたテラスハウスは、リビング、和室、洋室の三部屋。
ひと部屋を撮影で使うと、別の二つは衣裳部屋とスタッフキャストの控室兼段ボール部屋となる。
日替わりで部屋を変えて撮影が行われるから、衣裳部屋と控室は日々転々とすることになる。これが結構大変なのだ。
おまけにどの部屋も全部のスタッフが入れるほどの広さが無いので、
毎回スタッフたちは役目を振り分け、
可能な限り部屋の外で待機してもらっていた。
特にラブシーンの撮影時には、役者が緊張しないように、
スタッフを厳選して少ない人数で行った。
そのため、廊下や階段はぎゅうぎゅう詰めになっていた。
さらに、撮影の為に、一度外に出して処分するはずだった荷物を
再び搬入し、部屋を埋め尽くした時には、またこれを搬出するのかと思うと
頭が痛くなった。
頭が痛いと言えば、集まったスタッフが、ロケ直前に失恋。
励ましやる気を出させるのに苦労した。
普段元気な人が急に体調不良に陥り、病院送りになって
スケジュールが混乱。
その他、撮影用に借りた会議室からは、予定時間を越えているとクレームが入り、同じく待ち時間が長くなったエキストラの方々からも不満が噴出。
おまけに深夜のタクシーがまったく捕まらない。
他にもここに書けないようなトラブルが続出した。
それでも、どうにか撮影を終えて、ホッと一息ついたと思ったら、
撮影で経費を使いすぎて、監督は編集費を捻出するために、仕事を沢山入れなければいけなくなった。必然的に編集作業は先延ばしになる。
そして、どうにか仮編集を終えて、公開日程の調整に入ったところで
コロナ禍である。
世の中は全く動かなくなる。公開の目途は立たない。
その間、スタッフやキャストからは、
「あの映画、本当に公開されるんですか?」
と問い合わせが相次ぐ。
こっちが教えてほしいよ、と思いながらも、絶対大丈夫だから、と明るく答える日々が続いた。
しかし、今思えば、悪い事ばかりでは無かった。
コロナを挟んで編集作業が綿密丁寧に行う事が出来たし、
音楽も厳選できた。バレや色の調整も出来る限り行えた。
結果的に全て乗り越えてきたんだから、
監督は無敵なのかもしれない。
小林監督は、次回作にも意欲を燃やしている。
出来れば今度は運気の良い時に撮影してほしい。
おわり
出演
とみやまあゆみ 笛木陽子 原田里佳子 蒔苗勇亮
村上柊子 村上悠輝 金剛地武志 田口夏帆 真山亜子ほか
プロデューサー/監督/脚本/編集 小林豊規
『静かに燃えて』
10月14日(土) ~ 下北沢トリウッドにて公開。
予告編 映画ドットコム
https://eiga.com/movie/99985/video/
公式サイト
#映画 #静かに燃えて #とみやまあゆみ #笛木陽子 #原田里佳子 #蒔苗勇亮 #村上柊子 #村上悠輝 #金剛地武志 #田口夏帆 #真山亜子 #不思議 #謎 #恋愛 #女同士 #男と女 #カップル #愛情 #思い #下北沢 #トリウッド