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玉堂デスヨ。

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癒しの日常と、気がついたあの事。人生が豊かになる一瞬。 怪談、恋愛以外の作品も。
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いよいよ本日まで『静かに燃えて』横浜上映は、いよいよ本日まで・・・映画監督の犬童一心を始め、多くの監督、俳優などの映画人から支持された映画監督のデビュー作にして遺作。

『静かに燃えて』。とは、 映画『赤すいか黄すいか(犬童一心監督)』などの撮影を手がけ、CM ディレクターとしてその手腕を発揮し続け てきた映像ディレクター、小林豊規(とよのり)が手掛けた切ないラブストーリー。 『エッシャー通りの赤いポスト』のとみやまあゆみ、『不器用な彼女』の笛木陽子、さぬき映画祭ショートムービー コンペティション 2021 グランプリ受賞作『僕とぼくとカノジョ』の原田里佳子、短編『隠し戯~かくしごと~』の蒔苗 勇亮らが出演。 TV バラエティ、ラジオ、映画と

「エレベーターの女」・・・怪談。女は何を恐れたか?

「ちょっと前なら覚えちゃいるが・・・」 という歌詞?の歌がありましたが、 人間の心は移ろいやすいものです。 今回は、そんなお話です。 ・・・・・・・・・・・・ 『エレベーターの女』 「怖い!」 エレベーターに乗り込んだ途端、中にいた女が口元を抑えながら 奥の壁に張り付くように下がった。 何が怖いんだろうと目線を追うと・・・どうやら私の事らしい。 狭いエレベーターの箱の中に男と二人きりになって 不安なのは、分からないでもないが、怖いと口に出すほどではないだろう。

「割れる指輪」・・・怪談。決意のその向こうに待っていたものは。

プロポーズの瞬間というのは、緊張するものです。 準備に準備を重ねて、この人なら大丈夫と思っていても、不安は残ります。 時には、その不安が恐ろしい形で現実になることも・・・。 ・・・・・・・・・・・・ 『割れる指輪』 これは、とある事で知り合った人から、『友人の話だけど・・・』と前置きをして聞かされた話である。 その友人が30歳の誕生日に、付き合って一年になる女性と高級レストランで食事をしたらしい。 デザートが運ばれて来たところで、友人はプロポーズの言葉ともに ケース

「突っ張り番長」・・・彼の行くところには、嵐と平安が?

11月19日火曜日、17時から、ラヂオつくばで、私の短編が朗読されます。 今回は、不思議な縁と運命に翻弄される人々を描いた作品です。 身近な商店街のちょっとほっこりするヒーローの話。 お時間のある方は是非お聞きください。 開局15周年を迎えたラヂオつくばの 「つくば You've got 84.2(発信chu)!(つくば ゆうがたはっしんちゅう)」 番組は17時から。朗読は17時30分か45分くらいからの予定です。 つくば以外にお住まいの方は、インターネット放送でもお

「森章二の素読の会」第15回「双六おやこ」・・・あと2週間を切りました。

次回、第十五回「森章二の素読の会」「双六おやこ」。 今回の前半、森章二さんの江戸話は、時代劇の中の「実は・・・」 例えば、一口に江戸時代と言いますが、実際には270年もあるので、初期、前期、中期、後期、幕末とそれぞれ特色も違えば文化も違う。 それをテレビの時代劇が製作の都合で変えてしまった。 その背景などに迫ります。 後半の朗読は「双六おやこ」。 長屋の名物とまで言われるある夫婦の喧嘩。 仲を取り持ったのは・・・ 今回から、火曜日の夜になります。 11月26日火曜日。1

『静かに燃えて』本日から公開・・・映画監督の犬童一心を始め、多くの監督、俳優などの映画人から支持され、これから拡大公開していく・・・はずだった。その矢先に彼は亡くなった。

映画『赤すいか黄すいか(犬童一心監督)』などの撮影を手がけ、CM ディレクターとしてその手腕を発揮し続け てきた映像ディレクター、小林豊規(とよのり)が手掛けた切ないラブストーリー。『静かに燃えて』。 『エッシャー通りの赤いポスト』のとみやまあゆみ、『不器用な彼女』の笛木陽子、さぬき映画祭ショートムービー コンペティション 2021 グランプリ受賞作『僕とぼくとカノジョ』の原田里佳子、短編『隠し戯~かくしごと~』の蒔苗 勇亮らが出演。 TV バラエティ、ラジオ、映画と多方面で

明日、16日(土)より。長編映画「静かに燃えて」が「横浜シネマ・ジャックアンドベティ」にて公開。

己の映画的感覚を信じて作品を作り続けた映画監督・小林豊規(とよのり)のゆるぎない一作、映画「静かに燃えて」、横浜の映画館「ジャック&ベティ」にて、明日から! 11月16日(土)より毎日16時25分より。 16日初日のトークショーには、 犬童一心監督、主演のとみやまあゆみさん、出演者で音楽も担当した金剛地武志さんの トークショーが行われます。 そして、17日には、犬童一心監督、と映画監督の筒井武文さんのトークショーが行われます。 *登壇は、ともに上演後詳細は、公式ホームページ

「絶対当たる占い師」(リトライ版)・・・本日放送。演出が変わるとどう変わるか。

本日、14日木曜日。SKYWAVEラジオで私の短編が朗読されます。 番組は、16時00分~16時59分の「清原愛のgoing 愛 way」 おなじみの、ナレーター俳優として活躍中の清原愛さんが、元気なMCでお届けします。 朗読で読んでいただく作品は、このサイトのトップでも読める「絶対当たる占い師」。 以前、清原愛さんが一度チャレンジされたのですが、 今回は、さらにバージョンアップした新演出での朗読です。 果たして、清原愛さんがどのように料理するのか。 皆さんも是非お楽

「すきま」・・・怪談。隙間を恐れる男は何を見たのか。

真夜中に、障子や襖がほんの少し開いていることに気づいた時、 わざわざ布団を出て閉めに行く勇気がありますか? 今回は、そんな怖い隙間のお話です。 ・・・・・・・・・・・・ 『すきま』by 夢乃玉堂 「目が覗いてくるんだ」 杉田は、明らかに神経過敏になっていた。 レスリングのインターハイに向けた強化選手に選ばれた杉田が 練習にも大学にも顔を出さなくなって二週間。 業を煮やした部長の命令で、同期の俺と吉野がアパートを訪れたのだが、 杉田は奇妙な話をするばかりだった。 「

「高速嫌い」・・・怪談。深夜のタクシーに乗ってきたのは。

昨今では少なくなりましたが、一時期タクシーは効率の良い遠方客を優先、 ひどいときには、「近くは行かない、別のに乗ってくれ」なんて言うものまでいました。 今回はそこまでひどく無いですが、似たようなお話。 ちなみに、今は都心を除くとタクシー自体がつかまりにくく、深夜に移動するのは至難の業です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『高速嫌い』 バブルの頃よりは少なくなったとはいえ、金曜の夜は今でもタクシーの稼ぎ時である。 タクシードライバーは歩合制なので、どれだけ効率よ

「闇が覆う村」・・・不思議な話。薬売りがたどり着いた村は、なんとも奇妙だった。

『闇が覆う村』 元禄が終わり、江戸の人々が華やかだった時代の名残を忘れつつあった頃。 越中で眼病に聞くという新しい点眼薬を仕入れた薬売り仙吉が 武蔵国を目指して脇街道を歩いていた。 「おかしいな。これまで何度も通った道なのに」 歩きなれた道のはずなのに、仙吉はいつの間にか見知らぬ田園地帯に出てしまった。 「まだ陽も高いし焦ることはあるまい」 仙吉は持って来た握り飯を頬張り、見通しの良い畔道を歩き続けた。 しばらく行くと、道の真ん中に古い木製の鳥居が立っていた。

「そこに居ないお前」・・・俺じゃない俺。

『そこに居ないお前』 by 夢乃玉堂 始まりは、昼休みに同級生が言った勘違いの話だった。 「坂下。お前昨日、学校サボって自転車でどこへ行ったんだよ」 「昨日? それ誰かと見間違えたんだよ。俺、ずっと風邪で寝込んでたぞ」 「いや。お前だったよ。朝学校に行く途中で黒の自転車乗ったお前とすれ違ったんだよ。南高のジャージ着てたし、長髪で銀縁の眼鏡かけたから間違いないって。なのに声かけても返事しなくてさ。シカトかよ冷てえなって思ったんだよ」 「だからその時間は医者にいたよ。そ

「彼の人生はまさに映画だ」・・・長編映画「静かに燃えて」 2024年11月16日(土)より「横浜シネマ・ジャックアンドベティ」にて公開。

中学生で初めて8mmフィルムで劇映画を作り、50年間映画を撮り続けて2023年10月、 64歳で長編映画を製作・監督してデビュー。 しかし、初公開からひと月半後に急逝。 そんな映画のような人生を送った小林豊規監督のデビュー作にして遺作。 そのデビュー作は限定公開ながら、映画監督の犬童一心を始め、多くの監督、俳優などの映画人から支持され、これから拡大公開していく・・・はずだった。その矢先に彼は亡くなったのだ。 己の映画的感覚を信じて作品を作り続けた映画監督・小林豊規(とよのり

「毒婦と呼ぶには余りにも可愛い」・・・奥女中 絵島の傳

駒塚由衣江戸人情噺 「恋無終絵乃嶋噺・奥女中絵島の傳」  吉原 中江別館金村 桜鍋で有名な吉原のお店で開催される恒例の駒塚由衣江戸人情噺。 今回は、絵島生島事件を題材にした物語。 大奥で月光院に使える絵島が、歌舞伎役者の生島新五郎に恋をして 逢瀬を重ねるという実際にあった事件を題材にした有名な物語であるが、 この噺では政争がらみの陰謀部分は排除されて、恋の顛末に集約している。 さて、以下は例によって個人の感想なのでご容赦を。 奥女中絵島が、恋に落ちて、徐々に女として毒