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イエスマンをやめて嫌なことを言うようにしたら仕事増えた話。

私は根っからのイエスマンだった。
いや、今でもイエスマンの節はある。

帰省した際、行きたいご飯屋さんは家族が行きたいところに行く。
彼女とのデート、彼女が喜ぶ場所に行く。
友人と焼肉、友人が食べたい部位を注文。

これは私生活だけでなく、仕事でもそうだった時期がある。

まぁ、私のような4番手5番手の作家が
今までの会議の流れをひっくり返す意見を述べる勇気もなく
思っていることを呑み込んでいた、という方が正しいか。

しかし、私と局員さんで考えた企画が通った際に
チーフ作家として番組に入ったことがある。

この時、局員さんから
「思ったこと全部言ってくださいね」と言われた。

彼は私の性格を知った上で環境を作ってくれたのだろう。

そして始まった特番の構成会議では、
思っていることを思っているまま言った。
会議でなんとなく決まりかけの流れを切るようなことも言った。
簡潔に言うように努めたがダラダラ言っていたと思う。

しかし。

その局員さんはもちろん、
周囲の制作会社のスタッフの皆さんも、
当時名もなき私の話に耳を傾けてくれた。

そうなると私もノってくるじゃない?

気になったことはガンガン言うようにした。
もちろん、番組の最終意思決定は演出なので
演出の局員さんに「それは違うかもですね」と一蹴されることもあった。

全然いい。むしろそれがいい。
番組がどんどん良くなっていく感覚を確かに感じられたから。

その番組は、私以外の作家メンバーも若い人が多かったが、
みんなが思っていることを言える空気だったと思う。
議論が活発になり、全員の意見が入った番組になったと思う。

その会議で味を占めた私は、
レギュラー番組でも思ったことを言うようになった。
もちろん会議が「ん?」という空気になることもあった。

でもそれ以来、なぜだか仕事が増えた。
別の番組に呼んでもらうことが増えた。
企画会議の依頼が増えた。

その時にあるホストの言葉を思い出した。

フジテレビ「酒のツマミになる話」2021年6月24日放送

『NO』が言えないやつの『YES』に価値がない


この金言を胸にあの頃から戦ってきたが、もう諦め時かもしれない。
自分の才能にNOを突きつけようじゃないか。

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