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紙媒体で読んだ本から引用データベースを作る方法
読書での学びを後に生かす工夫を、みなさんは何かしていますか?
わたしの勉強法は、付箋を貼った物理本のページを読了後まとめてクラウド化し、検索可能な引用データベースとして活用するというものです。
本記事ではそのやり方について紹介します。
付箋で気づきを呼び起こす
読書をする中で気になった箇所に付箋を貼ったり、線を引いたりすることは、多かれ少なかれみなさんがしていることだと思います。
断片的に覚えている内容やフレーズについて、本を取り出してページをめくればズバリその箇所を取り出せるのが理想です。
こうした引用や検索を容易にするために、最初から電子書籍で読んでハイライトなどの機能を活用している方もいることでしょう。
しかし電子書籍で読むにしろ、物理の本で読むにしろ、せっかく読書中に得た気づきを学びに変えることができなければ、とてももったいないと思いませんか。
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付箋をもとに「抜き写し」する
付箋を貼ることには、本文に直接線を引くよりも明確な利点があります。それは後から参照しやすいということです。
本の端から物理的に飛び出した付箋は、いわば引用箇所のためのインデックスラベルとして機能します。
ポイントは、自分が気になった箇所がわかる程度に、本文の近い位置に付箋を貼ることです。幸い、人はだいたいのヒントさえあれば、どの一文が気になったかを思い出せるものです。
本を読み終えたら、いくつもの付箋がついた本が手元に残るはずです。
その記憶が薄れてしまわないうちに、アナログの紙からデジタルの情報へと「植え替え」をします。
具体的には、本の最初に戻り、付箋を貼ったページを開いてスマートフォンで写真を撮る、という作業をひたすら行います。
こうすることで、ある本に関する自分が気になった箇所を集めた切り抜き集ができあがります。
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写真アプリはメモが取れない
しかし私はスマートフォンに標準で入っている写真アプリの機能に不満があります。それは写真にメモが取れないということです。
心に残った箇所を抜き書きとして保存したり、自分が気づいたことを文章として残せないのでは、本の切り抜き写真は単なる画像の集まりで終わってしまいます。
かといってメモツールを併用するのでは本末転倒です。ページ番号や前後の文脈など、多くの情報を残しつつ本の抜き書きを作成するのは、やってみると想像以上に骨の折れる作業です。
写真としてデジタルデータに変換しつつ、その段階で簡単にメモを残せることが理想です。
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付箋ページを振り返り、同時にメモも取る
私はGyazoをスマートフォンから使うことで、このようなワークフローを実践しています。
Gyazoには画像をまとめて管理するコレクション機能があるので、まずは一冊の本にあたるコレクションを作成します。
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スマートフォンでGyazoにログインした状態でコレクションを開くと、画面下側にボタンが表示されています。これが写真を撮るためのボタンです。
ボタンをタップするとカメラが起動するので、付箋をつけた最初のページを撮影し、もう一度ボタンを押して確定します。
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すると写真がアップロードされ、新たに画像ページが表示されます。画像ページにはメモ欄があり、そこに思いついたことを書き込むことができます。
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さらにスマートフォンを使うことの利点は、音声入力を手軽に利用できることです。指で文字入力するかわりに音声認識機能を有効にして引用したい文章を読み上げれば、はるかに速くメモを取ることができます。
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表示されている画像ページにはやはり撮影ボタンがついており、次々に写真を撮っていくことができます。これらの作業を続けている間、写真はコレクションに順に保存されます。
「抜き写し」データベースの活用方法
コレクションはスマートフォンから閲覧するよりも、PCの大画面で一覧にするのが便利です。
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リストビューに変更すると、メモにした部分を並べて眺めることができます。
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さらにProユーザーであれば、画像はすべてOCRされているので、引用の断片
からもとのページを探し出すことも簡単です。
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このようにして、一冊の本の引用したい箇所や気づきのメモをあとから簡単に参照できるようになります。
「抜き写し」で本を読んだ経験を活かそう
あのとき読んだ本の内容をすぐに参照できれば、文章を書くのにも、研究をまとめるのにも役に立ちます。
アナログとデジタルをうまく使い分けることで、勉強の効率もずっと向上するのではないでしょうか。
それでは、よい勉強ライフを!