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まるで犬のよう【11.6-11.12】

116日(水)

少しだけ残業して、食パンを買って帰宅。クリームシチューを温め、食パンにたっぷりバターを塗って焼き、コールスローとハムエッグを作って食べた。夫と分担するとトントン拍子に家事が進んで気持ちがいい。

夫の友人にお子さんができたことを知り、素直によかったねと言えた。少し前の私なら自分と比べて落ち込んでいただろうに、妊活と距離を置いてから心が凪いでいる。

近ごろ白文鳥が「ピポ…」と鳴くようになった。人間の手を探ったり、スマホを覗き込んだりする時に、聞こえるか聞こえないかの声でちいさく呟いている。独り言のようでとても可愛い。


117日(木)

出張。サイゼリヤでよくばりランチを食べようと目論んでいたのに(柔らか青豆の温サラダ+アロスティチーニ+焼きチーズミラノ風ドリア)、駅ビルの中で迷ってしまい辿り着けず、断念。通りがかったイタトマでシーフードドリアを食べた。今、私の中で空前のドリアブームが来ている。

インフォーマルな忘年会のお誘いをいくつかもらい、くすぐったく嬉しい。大学時代は会食恐怖を疑うほど飲み会が苦手だったのだ。当時の自分に「大丈夫だよ」と教えてあげたい。


118日(金)

「その気もないのに思わせぶりな態度を取って期待させるのはよくないです」、後輩の金言。恋愛だけじゃなく仕事においても、できないことはできないと言葉と態度で示さねばなと改めて思う。後々のことを考えて。

帰りの電車でふと、友人の「社会の上澄みとだけ関わって生きていきたい」という言葉を思い出す。彼女は私立の中高一貫校出身で、お父さんは大きな病院の理事長で、回るお寿司を食べたことがないという、絵に描いたようなお嬢さまだった。心の安寧を保つにはそれも正解なのだろうな。と思いつつも、引っかかってしまうのはなぜだろう。そもそも社会の上澄みとは……?などとつらつら考え込み、疲れた。


119日(土)

日中、すべての気力が無くなるほど眠い。15分ほどうとうとしたらマシになり、熱い緑茶を啜りながら勉強する。

和山やま先生の『女の園の星』を読み、げらげら笑う。静かなユーモアが癖になり、あと1話、あと1話……と読み進め、とうとう最新刊まで読了してしまった。女子高、いいなあ。居心地がいいんだろうなあ。メンバーが女子のみだった、大学の研究室を懐かしく思い出す。受容・相互扶助の雰囲気がゆるく流れていて、誰にでも居場所があった、あの感じ。

白文鳥は相変わらず愛らしく、人間に全幅の信頼を置く姿がいじらしい。私と夫の片方でも欠けると気になるのか、放鳥時に別々の部屋にいると、何度も部屋を行き来して様子を見に来る。スマホやペンを握れば無理やり手の中に潜り込んできて、キャルルル!とくちばしで突いて怒る。こっちを見てよ!と嫉妬している気がする。まるで犬のようだと思う。

首元でも眠る


1110日(日)

午前中に家事を済ませ、午後は勉強!と意気込んで手をつけたはいいものの調子が悪くなり、頓服を投入してうつらうつら眠った。土日に調子が落ちるの、なんとかならないものか。

よせばいいものをプライムビデオで『Shrink 精神科医ヨワイ』を流してしまい、過去・現状のいろいろなことを思い出してつらくなる。当事者ではなく、見守る側にいることのつらさである。2話、しんどくて一時停止したまま、続きを見れずにいる。


1111日(月)

通院。予想していたけれどもお薬は継続しましょうとの診断で、トータルの診療時間、5分。心療内科って初回は時間がかかるけれど、その後は毎回あっという間に終わる。あの短い時間で先生はどう判断しているのだろう。実は違う病名だったってこと、普通にあるんじゃなかろうか。精神領域、難しくない?

昼からおでんをぐつぐつ煮込む。大根、じゃがいも、牛すじ、玉子、厚揚げ、さつま揚げ。帰宅した夫と食べた。熱々の大根が沁みた。


1112日(火)

夫の弟、すなわち義弟が泊まりにくることが決まる。学校のイベントなのだとか。歳が離れているからか、妹と同い年だからか、ほんとうのきょうだいのように感じてしまう。どんなふうにもてなそうとわくわくしながらカレンダーを確認して、飲み会が入っていることに気付いた。残念。致し方ない。せめて快適な宿を提供しよう。


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