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乗り味レビュー・1

縦置きVツイン+シャフトドライブの乗り味に興味はありつつも、特殊すぎてリスクを高く感じてしまう(乗りにくかったらどうしよう)方に向けて乗り味を書いていきたいと思いますが、ただ書いても仕方ないので誰かのレビューに追加したり言い換えしたりする形で書いていこうと思います。


ライダーズクラブのレビュー

ライダーズクラブは、広告収入で成り立っているため悪口は絶対に書かない(悪口が書ける題材を記事にしない)という特徴に気付いている方も多いと思います。
例えば、BMWのバイクはエンジン搭載位置が上がってきているため、R259系のころまで感じられた「低重心のメリット」みたいなものが現代ではあまり感じられません。
それなのに「低重心メリット」「やじろべえ効果」という記事で持ち上げていたりします。
もちろん、プロライダーのような感受性のある方が乗ればそうなのかもしれませんが、たいして速くもない一般ライダーからすれば現代のBMWでは低重心とかジャイロ効果とかはかなり薄味になっていると感じました。

そういう経験をしたうえで言いますが、ライダーズクラブの記事は商品を魅力的に見せる書き方が上手なため、一般人が乗った感覚とは異なる可能性があります。
そこでライダーズクラブの記事の中から補足というか、言い換えをすることでニュートラルな情報をお伝えしてみようと思います。


V7に乗ってあらためて確認したのは、ビギナーを一切驚かさない温和な穏やかさも、この時代はかえって得難い魅力ではあるものの、実はストイックに乗り込んでいったときの、グッツィならではの高速安定性や旋回時の頼もしいトラクションなど、醍醐味といえるスポーツ性の高さだ。ワイドな超扁平ラジアルでもないし、刻一刻と状況対応してくれるアクティブサスとも無縁ないわば原点バイクだからこそ、つきあっていくうちに、どこに許容すべきか、どこで自己発揮できるのか、その判断を経験的に積み上げていけるから、ライダーとしての成長も掴めていくことになるはずだ。

スロットルをガバっと開けたときに、エンジンが穏やかにしか回転上昇していかないのはV7iiiの魅力の一つです。
速度が乗らないというよりは、高いギヤ比でゆっくり速度を上げていく感じに似ています。

「高い直進安定性」というのは後日記事にしますが、股の下の前方にズッシリと重たいものがありそれがまっすぐ前を向いて向きを変えないとか、その重たいものが前輪を地面に押し付けようとしているような感覚があります。
この感覚が受け入れられなかった時、ニーグリップを強めに行う等して疲れやすかったですが、この特性を利用すれば疲労の少ない走り方をすることができると最近気づきました(その方法は後日記事にします)。

「旋回時の頼もしいトラクション」ですが、これはよく言われる「シャフトのクセでシートが持ち上げられる」というのと表裏一体のものだと思います。
シートが持ち上げられるときに、どっしりとシートに体重を預けていれば、その分タイヤが地面に押し付けられたように感じます。
浅いバンク角でもグイグイ曲がっていくのが感じられ、深いバンク角にしなくても「スキー・スノボでエッジを効かせたとき」のような快楽を味わうことができます。

「どこで許容すべきか」「自己発揮できるか」と、この手の言葉をこの雑誌が使ったとき、それはバイクの限界が低いことを意味します。
V7iiistoneと共通の車体を使っている派生種の場合、バンク角の限界は浅いところにあります。
広い駐車場で8の字練習をして慣れてくるとあっという間に擦ってしまい、動画に出てくる達人の8の字のような速度を出すのは難しいです(MT-07で20回に1回ステップを擦るとしたら、V7iiiでは5回に1回ぐらい擦る感覚でした)。
かつて2000年式のXJR1300に乗っていましたが、その時のライダーズクラブのレビューにも「5000rpmぐらいでバイクから”やめておきなさいと語りかけてくる」と書かれていました。
実際に乗ってみて、バンク角が浅かったり速度を出すと重さでコントロールが困難になったりするので「速度を出しすぎるなよ」という意味だと分かった経験があります。
その経験から、今回も限界の低さを表していると予想されます。

もちろん縦置きVツイン特有の、右コーナーへの進入で曲がりにくかったり、シャフト駆動によるシフトショックを減衰する難しさなど、レーサーとしてデイトナ挑戦した経験からネガティブを挙げることも可能だが、そんなことはレースでさえ不利とは思えず、ひたすら走り込んで乗り越えようとさせる魅力がグッツィにはある。

このバイクは、右へは倒しやすく、左には倒しにくいという性質があります。
その代わり、右へはハンドルが切れにくく(セルフステアが弱い)、左へは強くハンドルが切れる傾向にあります。
その結果、バンクの瞬間の向きの変わり方は左が強く、右が弱いと感じました。
そのことを言っているのだと思います。
また、シフトショックの件ですが、モトグッチのモトブロガー動画を見ていると、シフトアップやシフトダウンの際に「ギュイン~」という不自然なエンジン回転の上下動の音がしてギクシャクしていることがあります。
私も乗って初日はそのような音をさせていましたが、シフトチェンジを小さく素早くすることでそのようなギクシャクはなくなりました(100%できるわけではありません)。
要は、スロットルの戻し量を小さく、戻している時間も短くしてシフトアップすることと、スロットルのあおり量を小さく素早くしてシフトダウンすればギクシャクはしませんということです(チェーンドライブはチェーンの遊びがある分だけ素早くなくてもよいのだと思われる)。


他人のふんどしで相撲を取るような記事になりましたが、モトグッチ購入を考えている方の参考になれば。

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