具鷲個展 1
具鷲個展 1
2023年6月26日(月)〜 30日(金)に書と写真の『株式会社エントリーpresents 具鷲個展1 』を開催します。
中国菜館桃の花の雰囲気のいい個室を貸し切って、厳選した書を11点、写真を数点展示する予定です。見るだけでも構いませんし、おいしい中華も食べられます。気軽にお越しください。
私は元プロのキックボクサーでした。世界の頂上にある美しい景色も見ました。スポーツも突き詰めると芸術です。
血反吐(ちへど)を吐くほどの練習を積み重ね、筋肉ごと削る過酷な減量を当たり前のようにクリアし、鍛え抜いた身体にパンツ一丁で殴り合う。美しさすら感じます。
師からの言葉
昔、大切な試合の前に師が言いました。
「プロというのは、常人では考えられないことをするからお金をもらえる。相手が強いのは当たり前だ。痛みは忘れろ。頭のネジを外せ。圧力をかけて前に出ろ」
「わかりました」
ということで初開催の個展も、現役時代を思い出し、頭のネジを外して書き切りました。大きな作品はすべて書き下ろしです。
特に目玉作品の陶淵明『雑詩』は、東京国立博物館(通称・トーハク)の資料館にも出向き、この詩を研究して臨みました。書家の星野葉柳先生からも助言をいただき、独力よりかなりの時間短縮に繋がりました。
字というのはどこでも練習できます。たとえば、地下鉄で座りながら目を瞑って指を動かすとか。たとえば、つまらない話を上の空で聞いているときにメモ代わりに書くとか。遠い席なら心象も悪くなりません(笑)
寝ても覚めてもこの詩のことを考え、千射万箭(せんしゃばんせん)の心で何枚も書きました。左拳と両膝にアザができたほどです。おかげさまで覚えました。
辞書の意味を思いながら書いているので、より魂も込められたと私は信じています。とても素晴らしい意味なので、下の辞書の旅でも紹介しています。読んでいただけたら幸いです。
文と武を双方から楽しんでいますが、見えている景色は似ている気がします。同じ山を違う場所から登っているだけなのかもしれません。
ブルート通信 vol.185 / 明生人嘉 〜 MyojoJinka 〜 113話
【追記】
2024.3
初個展のまとめ動画です。