趣味に 苦行に 辞書の旅
新年。今年もよろしくお願いいたします。
私は辞書の旅と書道の趣味を持っています。前者は2013年から始め、辞書を読み、書き、呟くという旅路をほぼ毎日歩んでいます。almost everydayです。岐阜県の英語教師も気に入っている表現です。
これまで読破してきたのは小型辞典でしたが、昨年6月から中型辞典の広辞苑第7版に挑戦し、師走には「あ」行を読破しました。早く読破することが目的ではないので、遅読(ちどく)ですが味読(みどく)とも言えます。とはいえ1日3ページ読み進めているので結構辛いです。
加えて2021年、正座後の立ちくらみを我慢した結果失神して頭をぶつけて流血。その翌日から中学生以来に書道を再開しました。
以来没頭して故事ことわざ辞典と四字熟語辞典の本文全ページを1語ずつ書き切りました。
広辞苑に関しては序文から全ページ1語ずつ「あ」行までは書きましたが、なかなか大変です。
ところで、2007年に創刊した月刊ブルート通信も流れる水の如しで色々な企画に挑戦し、毎月改善を心がけてポスティングをしてきました。
自宅のコピー用紙から印刷会社に発注を変えたとき、辞書の旅コーナーが誕生しました。
A4判1枚からパンフレットになったとき、協賛がつきました。
8ページの冊子になったとき、なにとぞグルメ紀行が生まれました。↓
今はこうなりました。↓
コロナ禍の暇にデザインを勉強し、縦書き主体の製本に変更し、現在の原型ができました。そして無線閉じになり、背表紙には文字も入れられるように(知る人ぞ知る)。
表紙と本文の紙の質は、予算内で全て試して今に至りました。デザインを学んでからのブルート通信の成長は、自分史では産業革命、情報革命に匹敵します。
何より嬉しいのは、これを面白がって読んでくれたり、協賛していただいたりすることです。ある勉強会では「佐藤さん、ブルート通信ちょうだい」と読者が集まってきます。
初対面の方にも名刺がわりに渡しています。でかい名刺で恐縮ですが、A5判のカバンに入れやすい小さめサイズにしたのがせめてもの気持ちです(笑)
さて、今やメインコンテンツの辞書の旅と書道のコラボコーナーでは特集シリーズが好評です。
何をやっているかと言うと「あ」〜「ん」までの日本語の大切な言葉を一語ずつ選び、読破してきた新明解国語辞典と明鏡国語辞典と現在挑んでいる広辞苑の3冊の辞書の語釈を読んだ直後に、まずは筆で書き比べ、真実の意味に迫るという酔狂な企画をやっています。
まず最初の特集『愛について』は、多くの方に興味を示していただきました。
加えて辞書の語釈を素に作った生成AIのイラストは、人間が一手間加えるとオリジナリティも増しますし、これぞ画竜点睛(がりょうてんせい・物事を完璧にするたための最後の仕上げ)なのではないかと考察しています。
次の「い」では「命」を特集しました。
できれば自分の望むところまで生きたいですが、人の命は風に舞い上がる塵のようなもの。あちこち吹き飛ばされて、いつ終わりを迎えるかわかりません。だからこそ、一日一日をなるべく楽しい気持ちで過ごしたいとは思います。
「う」は企画を始めた当初から9割方決めていた「宇宙」です。
これは面白かった。ここで生まれた辞書による宇宙人の違いは、トロくさい講演会などで大ウケました。
「え」は栄枯盛衰、会者定離も捨てがたかったけれど、最終的には「英雄」を選びました。
その中で「英雄5つの条件」が生み出されたのは貴重でした。
「お」は、ある俗称にも覚悟を持って前に進みました(X / Instaram 参照)。褒められたり、呆れられたりしました。facebookには広辞苑第6版から掲載とのコメント。こういった情報もすぐに共有できるので今の時代は凄いですね。
しかしながら今号の特集は「温故知新」。当たり前ですが滅茶苦茶良い言葉です。ぜひ3冊の辞書ごとに読み比べてみましょう。
次ページからの皆さんの胃袋を活性化させるなにとぞグルメ紀行はもちろん、小説の新連載も前号から始まりました。どのページからでも楽しめるブルート通信を今号も楽しんでいただけたら幸いです。
それではなにとぞ君、よろしくお願いします。
明るく生こまい
佐藤嘉洋
ブルート通信 vol.192 / 明生人嘉 〜 MyojoJinka 〜 120話
なにとぞ、よろしくお願いいたします