ラグビー

運動、食事と腸内細菌の代謝物との関係

私たちの健康にとって、食事運動が大きく影響していることは広く知られていますが、実は、腸内フローラにも大きな影響を与えていることをご存知でしょうか?

最新の研究で、食事や運動が腸内フローラに与える影響について様々なことがわかってきています。その中から、今回は、アイルランドの研究グループが2018年に発表した、アスリートの腸内フローラとその代謝産物について調査した論文をご紹介します [1]。


1、研究の背景

研究グループの拠点があるアイルランドでは、ラグビーは国民的スポーツで非常に人気が高く、日本でも盛り上がりをみせたワールドカップ2019の開幕時点で世界ランキング1位の競技レベルを誇っています。

この研究グループは、これまでに、アイルランドを代表するスポーツであるラグビーのプロ選手と一般人の腸内フローラを比較調査し、アスリートの腸内フローラを構成する腸内細菌は一般人よりも多様性が高いことを明らかにしました [2]。腸内細菌の多様性は高いほうがいいと考えられおり、習慣的に運動をしているアスリートに多様性が高い傾向があることが確認されたことから、習慣的な運動は腸内細菌の多様性を高める可能性があることが示さたといえます。

このアスリートと一般人の腸内フローラの違いに関する研究をさらに進展させるため、研究グループは腸内細菌の遺伝子の働きの違いや、食事などの生活習慣との関係性についても調査することにしました。


2、実験方法

アイルランドのラグビープロリーグの選手40人とアイルランドに住む健康な一般男性46人の
・腸内フローラを構成する細菌の組成 
・腸内細菌の遺伝子の働きの強さ
・食事などの生活習慣 
・便、血液に含まれる成分
などを比較して解析しました。


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