【22】『奇跡の洗濯バサミ』(2)~救急車が着くまで
(前回からの続き)
https://note.com/guttyo_id/n/n7275e49da140
時刻は21時を過ぎた頃で、子ども達はまだお風呂に入っていた。
妻が119番に電話して救急車を呼んでくれた。
コロナ感染の第3波が収まった頃で、電話は意外にすぐ繋がった。
電話越しの救命士に、妻が症状を話してくれたが、より詳しい状況を知りたいとのことで私に代わった。
救命士が具体的に「どこで」「いつから」「どんな症状なのか」など、色々と質問をしてきた。
電話を切った後は、救急車が来たらすぐに出られるように、私は玄関で待つことにした。
救急車のサイレンが遠くで鳴っているのが聞こえてきたが、待っている間もどんどん苦しさが増し、意識がもうろうとしてきた。
徐々にサイレンの音が大きくなり、救急車が近付いていることに少しホッとした。
所持品を考える余裕はなく、起き上がっているだけでしんどかった。
夜の静寂に救急車のサイレンが鳴り響く中、妻が救急車を誘導するため家の外に出た。
(続く)
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