2024/05/28 4:56
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夢から覚めて、あなたに会うとうきうきとした気持ちになります。なのでまたあなたに会いたいですということをどうして西本さんに伝えないのかと思った。自問に行き着いて目が覚めた時に、高校を9年前に卒業して以来、彼女に自分から連絡をしようとも思ったことがないことに気がついた。あるいは、上記のあなたに該当する対象として、徐々に輪郭が与えられていった先に西本さんが浮かんできたと同時に、久しぶりに積極的に目が覚めて、なるべくピュアなまま心の動きを排出したいと思い記している。書いているうちに頭が覚醒していき、欲が出てきて文章にしようという意識がちらつき、選択、切り取り、貼り付けを駆使して文の構成をしっくりくるものに変更したりしている。万年筆で一発書きならこのようなことはしないで、ひとまず新しく浮かんだ文をすぐ下に書き記し、しっくりこなかった文に上から棒線を引くのかなと想像してみる。元の文の状態とどうしてその時しっくりこなかったのかが後からわかる状態になっていることが自分の性に合うなと、また自身の性質について自問しているなと思う。しかし、こうして寝起きの半分覚醒状態ですぐに文として排泄できるのもiPadならではの良さであるし、たとえばアウという言葉をどの漢字で変換しようかと、変換予測画面に出てきた中で、真っ先にアウトドアという語に目が奪われてほくそ笑んだりすることもできる。坂口恭平の「生きのびるための事務」を読んでから、無意識からの心の動き、いわゆる夢日記なのか、目が覚める直前の脳みその整理の過程というべきものなのかわからないが、こうしたことをこの世に何とか排泄しておきたいと思い始めて、一週間が経ったがようやく今思い立ってすぐベッドサイドのリュックサックに手を伸ばし、ひとまずメモアプリで良いかと行動に移すことができた。記入しているうちにときめきというか、動揺というか動悸あるいは心臓のどきどきがおさまってきた。
思い出せる夢の中では、寮に憧れの女性の先輩が遊びにきていた。僕は先輩がいる会話に混ざりたいと思い、自分の領域でもある4人部屋に当然のように戻り、先輩に話しかけたが、気持ち悪いずらした感じの質問をして、勝手に恥ずかしく居心地が悪くなり座布団が積んである別の階の共用の部屋に逃げた。自分の敷布団に座っている先輩に向かって、卵を置いておいて良いですか、と尋ねた気がする。先輩は何に使うのと聞き返してくれたので、ご飯にしますと答えてそそくさと逃げ出した。自分の領域とは修学旅行の夜のような同部屋の面々の敷布団の集合体を構成する内の僕の寝る布団のようなイメージだ。先輩が遊びにきているという状態であることは共用玄関にあるキャンパスノートに記入されている部外者の出入り表から、脳みそが処理したことになっている。先輩とその友達の名前と入室した時間が記入されている。また、そのすぐ上に同じ日の午前4時に先輩方が退出した旨が記入してあり、彼女たちは遅くまでケーキを作っていてくれたこととそのお疲れ様会でまた夜に集まってきたことがわかった。台所にはスポンジケーキとクリーム、縦に切られたいちごがあった。これは現実の生活で僕が今通っている堀尾さんの事務所で見せてもらった木材を梁にするための裁断作業の動画のイメージからきているのかもしれない。彼女たちは客のために作ったケーキとは別に自分たちが食べるための分をきちんと確保していたのだ。僕は座布団のある共用の部屋に逃げ込む前に、弟に、先輩が遊びに来ているね、彼女たちの戦利品を持っていってあげたらどうかと伝えた。弟に対しては冷静で合理的であるかのような振る舞いをしている気になれる。弟と先輩の声が聞こえる。先輩は年上の方が好みであることを伝えているが、にこやかで浮かれているようである。あしらわれつつも弟は健気に自身の気持ちに素直に言葉を探して楽しげに伝えている。僕は積まれた座布団に体を丸めて寝ている。弟と先輩の様子を考えながら急激に眠くなっている。あくまで自分本位である好意を、その対象に伝えるということを誠実と言えるのかはわからないが、伝達しないまでも自身の心の運動の状況を内容に嘘がなくなるべくそのまま言葉にしようと試みるのは面白いと思った。座布団の上での眠気が現実のベッドの上での覚醒に移り変わった。
この試みを名付けて「半覚醒文=はんかくせえ文」としよう。今の所、言い得て妙というか僕は節々で物事を推進させるエネルギーとして駄洒落を有効活用している。名前ができると愛着が湧くし、アドレナリンが出て物事が自ずと面白い方向に加速している気がする。不定期でも良いので継続できるだろうか。
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