オキナワンロックドリフターvol.35

“被害者の親族”を名乗る書き込みをされた方と違い、自分の所在地、職業、本名を名乗り、メールをされたイハさんだがまだ油断はならない。果たしてアンチなのか?それとも……。
深呼吸をして、なるべく喧嘩腰にならないよう慎重に返信をした。
2度の沖縄旅行を通し、城間兄弟が「したこと」についてはさんざ聞かされている。しかし、それを踏まえてサイト運営をしていると。
私はそうしたためてイハさんにメール送信した。
暫くはメールがこなかったので、やはり中傷メールの類いなのかなと私は気にとめず仕事に専念することにした。仕事は人間関係で擦りきれるような気持ちだったが、任されたメニューが評判が良く、かろうじて人間関係の苦手さを相殺されてどうにかなっていたからだ。
しかし、2週間後。イハさんからまさかの返信がきた。
書き出しはさんざオキナワンロックの負の部分を聞かされた私への労りの言葉だった。
ん?ということは……。好奇心からか?
私はメールを読み進めた。
メールの内容は最初のメールの非礼への詫びとサイトの感想と、それを踏まえてのオキナワンロックの負の部分情報提供で、特にアイランド時代の城間兄弟の話が主だった。
正男さんのしでかしたこと前後の兄弟のしたことはさんざ聞かされていたが、アイランド時代の兄弟のことはあまり聞けなかったので、心に矢が刺さるような気持ちだったが、私はイハさんのメールを読み進めた。
イハさんからいただいた情報から、何故マッタラーさん、トミーさん、ツグアツさんが去り、アイランドが衰退したかかがよくわかった。そして、知らなかったとはいえ、独り善がりな義憤を振りかざしてレビューを書いてサイトにアップした自分に嫌気がさした。そして、決してマッタラーさんたち三方に会うことはあっても仲良くなることはできないだろうなと大きくため息をついた。
のたうち回るレベルの激しい痛みは伴ったものの、知りたかった情報は得られた。私はイハさんにお礼のメールを送った。
しかし、やはり聞かされた大量の情報は毒のように心身に変調をきたし、頓服の使用率が格段に増えた。
掲示板や日記での私の文体に荒れや変調がでてきたからだろうか、マネーペニー女史からメールがきた。
「まだ城間兄弟のことを想っているの?心のバランスを崩すくらいなら彼らを追うのをやめなさい。あなたいつか心に大きな傷を負うことになるわよ」と。
正論である。大抵の人ならやはり諦めたり手を引くのだろう。しかし、心のどこかで「虎穴に入らずんば虎児を得ず」、“No pain No gain”という言葉が過り、日々の平穏とオキナワンロックについて調べることと何度も天秤にかけたら後者に傾いた。
今もその理由はわからないけれど、まるで磁石に引き寄せられた砂鉄のように結局はオキナワンロックについて調べていく自分がいた。

そんな中、ワイアードさんとコウさんがだんだん交流を深めていき、沖縄はセブンスヘブンコザにて行われるNew紫のライブである8 8 Rock day観賞をメインイベントにしたオフ会をしようとする告知がお二人のサイトを通してされた。
何人かか参加表明をされている。

さあどうしよう。オフ会に参加しても浮くのは目に見えている。しかし、貯金ができたし、安いパックツアーを使えば行けなくもない。
ジミーさんの演奏が聴きたいし、南京食堂のご夫婦にもまたお会いしたい。
そんな中、仕事帰りに試しにやってみたスクラッチで3万円が当たり、その足で無意識に旅行代理店に行き、スカイマークエアラインの安い出張パックがあったので当たった3万円に手持ちのお金をいくらか足して全額入金してしまった。
ああ、やはり行けということか。
不安6:楽しみ4の比率で揺れているものの、8月に沖縄に行くことを決め、上司には休暇届けを提出した。

しかし、この旅行でしでかした大失態で多くの常連客を失い、挙げ句にマネーペニー女史と険悪になるのだがそれはまた別の話。

(オキナワンロックドリフターvol.36へ続く……)

文責・コサイミキ

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