めまいの症例
こんにちは😃ぐっさんです。
今日は、目眩の症例を書きます。
患者の年齢は50代男性で、普段から苓桂朮甘湯を服用している体調が良い方です。
2〜3日前から目眩と頭に何か被さった感じがするとの事でした。
特になった原因らしきものには、こころあたりはないがここ2〜3日は下痢をしているが、小便の量は変わらないとの事でした。
水分の摂取量はいつもと変わらないが、冷たいものを最近飲んでいるとのことです。
小便の量が変わらないという事は、けっこう水分とっているなと理解しました。
ちなみに、傷寒雑病論において目眩に関する記載があるところが、太陽病中、太陽病下、陽明病、少陽病、少陰病、不可發汗病、不可下病、百合狐惑陰陽毒病、中風歷節病、肺痿肺癰欬嗽上氣病、痰飮欬嗽病、黃疸病、婦人妊娠病、婦人雑病に記載があります。
内容が多いため、気になる方は調べてみてください。
この患者さんが服用されている苓桂朮甘湯ですが、この漢方も目眩に対するアプローチをすることができます。
茯苓は薬徵の主治は悸及び肉瞤筋惕なり旁ら小便不利、頭眩、烦躁を治す。朴庵先生、曰く水を収め乾きを潤しその不和を調ふ故に動悸を鎮め衝逆を缓下し水を眩悸等を治すとなっています。
今回は、問診で色々と聞かせてもらいましたが、他の症状に該当するものはなく、小便の量と下痢をしている事が非常に気になり、痰飮欬嗽病の心下有支飮其人苦冒眩澤瀉湯主之を参考に澤瀉湯を服用するように指導したところ、1週間ほどで目眩の症状がなくなったとの事でした。
澤瀉は、薬徵に曰く小便不利冒眩なり旁ら渇を治す。朴庵先生曰く、熱を去り燥きを潤すことをなす、故に刺戟を緩和することを主る、その主目證は、渇ありて水を欲するもの、冒眩あるもの、小便不利あるもの等なりとなっています。
現代人は、口が乾く前に水分を摂っているケースがたくさんありますので、問診では口は乾かないと記載している方も非常に多いですので注意が必要です。
ちなみに澤瀉が入った処方は、澤瀉湯(痰飮欬嗽病)、当帰芍薬散(婦人妊娠病)、茯苓澤瀉湯(嘔吐噦下利病)五苓散(太陽病中、太陽病下、霍亂病、痰飮欬嗽病、消渴小便利淋病)猪苓湯(陽明病、消渴小便利淋病)茵蔯五苓散(黄疸病)八味地黄丸(消渴小便利淋病、痰飮欬嗽病、婦人雑病、血痺虚労病、中風歷節病)だったかと思います。
参考文献は、新古方薬嚢です。
考え方の参考になったら幸いです。
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