見出し画像

幻想はここから始まる

DQ(ドラゴンクエスト)派とFF(ファナルファンタジー)派といった派閥がある。
私はFF派である。
子供の頃初めて触れたRPGがFF4だったからだ。
FF派、とは言うものの遊んだことがあるのは4、5、6、7、8のみである。
名作と名高い9、人気が異様にある10はほとんど遊んでいないし、オンラインゲームの11、14は触れてもいない。12、13頃になると「あー出たんだなー」くらいまで興味関心は下がってしまった。
FFがリリースされるハードがPS3、4、5になってからというもの、そもそもハードの値段が高くて手を出しにくい気持ちも大きいし、ほかに遊びたいゲームがほとんどない、更に後継機たちはPS2などとの互換も切られてしまった。
こうなるとFF専用機として30,000円から50,000円のゲーム機を買うことの抵抗感がある。
私がFFを遊ばなくなった理由はもっとたくさんある。
FFを遊ばなくなった私が遊びたい、遊んだことのないFFはもう過去にしか存在しないのだ。

今回紹介するのは初代FFだ。

ここからナンバリングで16、外伝作品も含めると数多の作品が生まれたのか、と思うと感慨深いものがある。

あらすじ
どうにもクリスタルの調子が悪い世界。
さらに城の姫がガーランドなる腕っぷしの強い騎士に攫われて大変なコーネリアから物語は始まる。

びっくりしたのがいきなり光の戦士ですよね?って感じで話が進んでいる。
光の戦士です。どうも。
以外言いようがない。クリスタル持ってるし。
まあ、ガーランドさんがなぜそんな暴挙に出たのかは外伝作品で明らかになるらしい。
そんなこんなで冒険が始まる。
私が話を理解しないで読み飛ばしていたおそれがある。

システム
街歩きをしながらストーリーを進めていく。
戦闘は古き良きターン制バトルである。
そして全体的に敵とのエンカウント率が高い。
どんどんレベルが上がっていく。10歩歩いたら戦闘、くらいの気分である。
ピクセルリマスター版なのでエンカウントなしやオートバトルで進めることもできる。
後半のレアモンスターを探す時にオートバトルにはお世話になった。
主人公たちのジョブは最初に選んでからは固定であるが、後半になるとクラスチェンジができる。
クラスチェンジしなければ使えない魔法や装備があるのでクラスチェンジした方が楽だろう。
オリジナルのFC版では最大レベルが50だったそうだが、ピクセルリマスターはレベルは99まで上げることができる。
クリア時にはレベル60くらいだったので、きっとレベル50あればクリアに問題はないのだろう。
また、魔法の習得は購入制なのと使用は回数制になっている。魔法の使用回数=MPみたいな感じだ。
貧乏性の私はもったいない精神で魔法を極力使わずに進んでいたが、店売りでエーテルがお手軽に買えるのでバシバシ使うこともできる。しかし値段はそんなにお手頃でもないので序盤は苦労した。

楽しかった
見出しが感想になってしまうが、現代だから楽しめる楽しさだった。
このゲームが発売されたのは37年も前だ。私よりギリ年下、FC(ファミリーコンピュータ)の時代に出たゲームだということを忘れてはいけない。
全体として不親切である。
セーブポイントはないし、地図はコマンドを教えてもらってやっと出てくる。
私はさして広くない世界で迷子になって、主人公(自由に名前が決められる)のジョントラ(実家では一般的な男性主人公の名前)のレベルがどんどん上がっていってしまった。
船にしろ飛空艇にしろ割と早い段階で手に入るのだが、なんとなーくこの人がこんなこと言ってたな……とか、そういえばあの人がこれを探しているとかいないとか……みたいなことを思い出しながら進めていく。
途中でこれを探しているのはこの人だったはず……全然違うや、などの空振りも多々あった。
攻略サイトを見ればすぐに解決するのだが、極力見ないで進めることで私もFCの時代の気分を味わえるかと思ったのだ。
あの当時は「嘘じゃねぇか!」という内容の攻略本、友達の兄ちゃんが言ってたという真偽すら不明な裏技など、情報にアクセスする手段が口伝と書物の時代……。頑張ろうと決意を固めた。
が、結果モンスター図鑑埋めと1か所どうにもならなくて調べた。決意の弱い人間である。
更に、ピクセルリマスター以前の移植でもあったのかもしれないが、宝箱の回収率がワールドマップ上で確認できる。
それにダンジョン内にもマップが表示され、ルート選定が極めて行いやすい。なんて便利なんだ。便利すぎてもうレトロゲームを遊んでいる気持ちはあまり感じない。
かゆいところに手が届き、かゆかったところに軟膏も塗ってくれる、至れり尽くせりである。
昔の硬派なRPGが好きな人には物足りないだろう。
しかしぬくぬくの環境で育った私のような人間にとっては、これくらい親切じゃないとクリアもできないのかもしれない。

ピクセルをリマスターするということ
ドット絵大好きさざなみさん、である。覚えていてほしい。
雰囲気をきちんと味わうなら実機が一番いいんだろうな、というのが率直な感想である。
そもそもピクセルリマスターする必要があるのか?というのが懐古厨ドット大好き面倒臭いオタクの気持ちである。
FF6がスマホ版で出た時のドットが、私の現代スクエニドットの食わず嫌いを助長させる。
SFC(スーパーファミコン)後半になればなるほどスクエアのドットは繊細さを極めていく。
今回遊んだのは初代FFである。
初見で遊んだため、思い出補正も何もなしで見ると出来のいいドットだなぁ、と思った。偉そうである。
キャラクターやモンスターのグラフィックは好きなドットだった。もうここからは私の好みの話しかしない!
戦闘シーンやダンジョン内のぬるっとした感じのドットはあまり好きではなかった……。
なんか、ドットなのにCGみたいな仕上がりというか……。いや、コンピュータグラフィックス=CG=コンピュータで描いたドット=CGなんだが、こう、やはりぬるっとしている。
あのぬるついたドットはドットなのか?いや、2DCGも突き詰めればドットの集合、つまりドットだ!でもぉ……という気持ちがぬぐえない。
しかし、初見なら気にならないと思う。
ドットがきれいで高精細になることは進化である。
受け入れる受け入れないは個人の歩んできたドットとの向き合い方だろう。
フォントとBGMの切り替えができるのはとてもうれしかった。
FC、SFCの世界観での美麗なオーケストラサウンドや、現代のテキストはどうしても……どうしてもなんだ……。ゆるしてくれ……。

きっと年末にもまたスクエニのセールがくるだろう。
プレイしたことがない人はぜひ遊んでみてほしい。
もし家にFCができる環境があるのなら、実機で遊んでみるのも楽しいだろう。
DQ派の人もぜひ。

いいなと思ったら応援しよう!