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【G.M.S.G】vol.2『Whirr』

 おはようございます。Lucazです。最近ハードオフに足しげく通う事で近所のハードオフ店員の間で噂の私ですが、ただ冷やかしに行ってる訳じゃなくてちゃんと買い物もしています。ギター弦とか変なエフェクターとか昭和すぎるヘッドフォンとか買って使ってます。実は今音楽を聴いているスピーカーもハードオフから我が家に来たものです。吐き気がするくらい安っぽい見た目が最高。あと右のスピーカーに謎のへこみが整形されています。握ると親指の位置で非常にいい感じです。音が出なくなったら投擲武器として流用される想定だったのかもしれませんね。

 さて、本日紹介するシューゲイザーバンドは『Whirr』です。2010年にカリフォルニア州で結成されました。シューゲイザーバンドってアメリカに多いなぁと思いましたが、国のデカさを考えれば如何なるジャンルのロックであろうとアメリカが最大手だろうな。
 ちなみに読み方は『ワー』
 
 友人「お勧めのバンドいない?」
 私「ワーいいよ」
 友人「え?」
 私「ワー、いいよ(URLを送る)」
 友人「は?……ああ。これでワーってよむんや」
 私「せやで」
 
 みたいな事が度々起こる名前です。直感的には『ウィァー』とか読みたくなりますよね。でも『ワー』です。カタカナで文章中に登場するとめちゃくちゃ分かりづらいので今回は『Whirr』と表記します。元々は『Whirl』だったのが、商標問題で改名したらしいです。めっちゃどうでも良いでしょ。どこで披露する事も出来ない豆知識だからここに書きました。皆様の脳に使えない知識のお裾分けです。

 それでは、聞いたことない人もここで一度検索してみてくださいな。一緒に聴いてみましょう。
 ちなみにG.M.S.GはYoutube Musicの入会を非常に推しています。Youtubeにしか投稿されておらず、Apple MusicとかSpotifyでは聞けない様なマイナー、インディーバンドが発掘できる事があるからです。Youtubeプレミアムと一緒に入っちゃおう。世は正にサブスク時代ですよ、御屋形様。
 私のWhirrおすすめアルバムは2012年リリース『Distresser』です。三曲目に入っている「Blue」がすごく好きなのです。

上記が『Distresser』のジャケット

 Whirrの音楽性は確かにMy bloody valentineの影響を強く受けた所謂”シューゲイザー”的サウンドと表現できます。轟音のギター、埋もれそうなボーカル。すごくシューゲイズしてます。大好きな音。
 
 でも、マイブラと明確に違うのは”焦燥感”を煽るようなメロディライン。より悲壮感が強いというか、悲しみという感情にフォーカスを当てた音がすると感じます。うねる様なギターサウンドにちょっと急かされている様な、”このままじゃダメなのは分かってるけど、どうしたらいいのかわからない”みたいな。高校卒業間際とか大学卒業間際に感じていた感情を呼び起こされた気分になるんですよね。何ならちょっと嫌な気分なんだけど、それを轟音でぶつけられて圧倒されていると悪くない気がしてくる。焦ってて妙に悲しい気分なんだけど、心地良いんです。

 とても恣意的なリスニングだし個人の感想ですよ。全部勝手に私が言ってるだけです。君の感想は君によって生み出されるのだ。さあ、Whirrを聴け!!

 Whirrの曲を聴いてると無性に春を感じるんですよねー。桜が散るのが見える公園のベンチとか喫茶店のバルコニー席とかで聴くのが似合う。曲の歌詞を読んでみて頂くと分かるんですが、結構上手くいってない恋愛に関して歌っている歌が多い。出会いと別れの季節と言われる春に、別れの方向に人生が傾いている人。Whirrを聴きましょう。あなたが世界で一番Whirrが似合うし、Whirrの世界に浸っている時のあなたが世界でいちばん美しいです。

 上の方で『Distresser』の三曲目が好き、と書きましたが。ぜひアルバム単位で聴いてほしい。三曲目だけ聴いても良いけど、ぜひ頭から聴いて下さい。
 考えてみればiPodを卒業してスマホで音楽を聴くようになって以来”アルバム単位で音楽を聴く”という行為をあまりしなくなっている気がします。というか、絶対に頻度は10分の1とかになってる。好きなアーティストのページに飛んで、人気曲一覧で冒頭の曲から再生する、みたいな音楽の聴き方に慣れてしまっている自分がいます。
 
 でもこれは悪い事じゃない。自分の気分に即して最も必要とする栄養素を持った曲を摂取できる訳ですからね。レコードで三曲目だけ聴こうとか、出来ますが一々めんどくさいですし、カセットだとそもそも三曲目どこやねんって話です。時代の進歩は私たちに好きな曲を好きなタイミングで聞く権利を与えてくれたのです。ありがとう時代。
 
 それに、アルバム・リスニングに親しみがないという事はつまり、アルバム・リスニングで新鮮な感動を得られるという事でもあります。ぜひ『Distresser』を頭からつま先まで聴いてみてください。これを読みながらでも良いし、珈琲を淹れる間でも良いし、朝起きて一発目に目を覚ますために聴いても良いし、いつもなら動画みちゃう通勤通学中でも良いです。
 「Blue」「Ghost」「Meaningless」「child」の流れが個人的に死ぬほど食らいました。感情が持ってかれる。焦燥感と悲しみで満ちたバスタブに飛び込むみたいな曲と、冷たさに慣れて震えながら水の中で微睡むみたいな曲の連続なんです。

 さて、Whirr。ワー。知らなかった人は幸運ですよ。あなたの人生で幾度となく訪れるであろう悲しいシーンに流れる音楽の候補がまた一つ増えました。みんなも自分の映画を作るとなったらこのシーンにはこの曲流す! みたいな妄想しますよね。え? しない? 
 
 では、皆様さようなら。靴紐はきちんと結びましょうね。踵も踏まないように。

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