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魚料理の饗宴

日曜劇場『グランメゾン東京』の第6話の放送が終了しました。
6話のテーマは”鮮魚”。

尾花がいる「グランメゾン東京」も、
丹後の「gaku」も魚料理を見直しにかかり、
両レストラン共に開発に成功しました。

今回は、目にも美味しそうな魚料理を実際に開発した
「カンテサンス」岸田シェフと「INUA」のトーマス・フレベル シェフのストーリーをお届けします。

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鰆のロースト 水晶文旦のソース
(ドラマのためのオリジナル)

6話で、尾花さんが「グランメゾン東京」の魚料理を見直すと言ったことで用意したお料理です。
今回は、冬においしいお魚ということで、鰆(サワラ)を選ばせていただきました。魚へんに春と書きますが、鰆の本当においしい時期は、秋から冬にかけて。”寒鰆”が一番おいしい時期だとされています。
「カンテサンス」では6〜8キロの鰆を使っているのですが、「グランメゾン東京」でも同じくらいの大きさの鰆が使われています。大きいものが美味しいとされていて、それ以下のものを使うことはあまりありません。
このお料理の最大の特徴は、火入れ。大きな塊のままで肉も魚も焼いて、焼いたあとに切り分けていくのが「カンテサンス」の代名詞にもなっている火入れの特徴です。
1枚ごとに切り分けたお魚を焼くと、焼き目ができる表面積が増えますよね?そうすると、香ばしさが付くことで美味しさは生まれますが、香ばしさが前面に出すぎるために、何を食べているかわからなくなってしまうんです。鯛(タイ)を食べていても、鱸(スズキ)を食べていても、どちらも同じように香ばしくて美味しいという感覚になるために、素材の良さをどこまで引き出したか、疑問が生まれます。けれど、大きな塊を焼いたあとに切り分ければ、断面の部分には焼き目は存在しないのでより素材の味や香りを楽しんでいただくことができます。
また、火の入り方も大きな塊で焼いた方が良い状態で仕上げることが可能です。
 付け合わせにしているのは、水晶文旦(鰆と同じく旬の果物)。水晶文旦は身をほぐすことができて、1粒ずつバラバラになります。そこに少量のニンニクとセロリのみじん切り、フヌイユ、天然の茸(チチタケ、ナラタケ、ショウゲンジ)それからフィーヌゼルブという香草を4種類くらい刻んだものと、文旦の果汁とオリーブオイルを混ぜて作ったソースを下に散らして、魚と一緒に召し上がっていただきます。
そして、付け合わせはラディッキオ・タルディーボというお野菜。芯の部分をさっと炒めて、トマトとケッパー、赤ワインビネガー、フュメドポワソンと上に水菜。それが付け合わせになっています。
「カンテサンス」では秋から冬にかけて、旬の魚である鰆の料理をお出ししています。 ー岸田周三シェフ

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レモンタイムとバターで焼いた骨付きあんこう、
鮟肝のポシェ、昆布、味噌のソース
(ドラマのためのオリジナル)

魚料理というお題をもらったとき、旬の魚で作れる新しくて面白い料理は何かと考えたのですが、ちょうどそのころ質の良いあんこうが市場に出回りだしました。そこで試しに一尾仕入れてみることに。
新鮮な肝があるものを選びました。すると、尾の部分に弾力があり肉のような食感で、肝との相性が非常に良いとわかりました。クリーミーな食感と脂の濃厚さが加わるからです。尾と肝の食感の違いを引き立てたかったので、他の要素は最小限にとどめ、味噌、きのこ、昆布など、深みと旨味を補いつつも魚自体の風味をかき消さない素材を使って仕上げました。 
ートーマス・フレベル シェフ

次週は12月1日(日)よる9時から第7話の放送。
メニューは「ガレットシャンピニオン」

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