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崖に向かって突っ走るヒーローの孤独 (鉄人タイガーセブン)
鉄人タイガーセブンという特撮番組があります。
放映年度は1973年で恐らくは第二次怪獣ブームと言われる枠に入る作品だと思います。
私が生まれる前の作品なのですが、放映後数年経って再放送があった様で物心付く前後位に観た覚えがあります。
正直なところまだ小さすぎて同じピー・プロダクション制作の快傑ライオン丸や風雲ライオン丸との虎マスク繫がりでの区別はあまりついていなかったと思われます。
とはいえタイガーヘッドビームの独特のポーズや青いスーツと作業用ゴム手袋ファイトグローブは覚えていて、視聴がもう少し後だったら手袋をつけてごっこ遊びくらいはやっていたかも知れません。
正直なところかなりマイナーな作品だと思っていたのですが・・・予想以上に知名度があり、少し調べてみると変身時に子供を轢いたあのシーンがあまりにも有名な様子(;´Д`)
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坊やー!
イジられぶりがなんだかバトルフィーバーJのバトルコサックの戦闘服クリーニング事件を思わせる構図なんですが、記憶に残らないよりは良いのかなぁとも思います。
この鉄人タイガーセブンはとにかく重く暗い作品だったと言われています。
その理由は通常のヒーロー番組では「お約束」として右から左へ受け流す要素を正面切って受け止めるからではないかなぁと。
人同士の交流でも偶にありますよね。ちょっとした話題を徹底的に深掘りする人が。「マジになりやがって・・・」と周囲と温度感がかけ離れてしまうあんな感じです。
この場合の深堀くんが鉄人タイガーセブンという番組で、温度差を感じる周囲の反応というのが視聴率の源泉である視聴者なのではないでしょうか。
誤解の無いように、深堀りすることは価値がない等の主旨ではござらんので。
たとえばヒーローものでは主人公が変身時に仲間を見捨てる形で姿を消す状況があります。
大抵の特撮番組はこのシチュエーションをアクセントとして使い何らかの落としどころを用意したりそこまで深掘りしなくなったりと通過儀礼の様な扱いをします。
ですが前述の通り鉄人タイガーセブンはこのシチュエーションを執拗に追いかけていくのですよね。
振り返ってみると私は設定や話運びがハードな特撮が恐らく子供の頃から好きな様子です。
いずれ記事にしたいと考えている超人機メタルダー等も前半が好きでしたからね。
鉄人タイガーセブンはそんな嗜好のお子様を置いてきぼりにするシビアさがあります。いや、お子様というよりは幼児でしたけど。
個人的には作中で敵も味方も主人公でさえも自身のエゴをぶつけ合っていくドロドロとした構図がとてもリアルだったと思います。
さて、幼児にとって鉄人タイガーセブンはどんなヒーロー番組だったのか。その辺を雑に書き出してみます。
タイガーセブンがあまりかっこよくない?
とにかく怪人が不気味
味方陣営が安らぎの場所とは限らない
その味方陣営丸ごと世間から信じてもらえない
昼ドラのように主人公を追い込む(人の心とかないんか?的な)展開
そして最後は・・・
今回記事を書くために1日中鉄人タイガーセブンの事を考えていた(;´Д`)のですが、そのおかげか特徴的な姿やファイトグローブ以外の事を少しですが思い出してきました。
私、敵の怪人の事を殆ど覚えてないんですね。恐らく生理的嫌悪感で目をつぶっていたのではないかなぁと。
そして味方陣営のこともあまり覚えていない。いや、面子もかなり個性的な人達なんですよ。特に中条静夫さんなんてあぶない刑事でこれでもかって程ご尊顔を拝見してますので「え、特撮番組に出てたの?」って感じの今更なびっくり度です。
幼児には仲間達との衝突が見ていて辛く目を逸らしたのかも知れません。決してぶつかってばかりではないのにってやつです。
そして覚えているのはタイガーセブンの孤独な戦いのみ。その悲しさだけは覚えていたというか。
最終回で去っていく主人公を大人になって改めて見てもそれ自体にはびっくりしなかったのですよね。
そのタイガーセブン自体のデザインもあまりかっこいいとは思ってなかった感じです・・・当時好きだった人には申し訳ないけどm(_ _)m
マスクの見事な造形や諸々の作り込み自体は凄いと思ってましたので念の為。あとアクションでの色の映えもね(゚∀゚) オトナニナルト ワカッテクルアジワイ
でもそんなデバフ(マイナス要素)が山程ある作品なのに、当時の私はそれなりにタイガーセブンの孤独な戦いを恐らく少しビビりながらも観ていたわけです。吊り橋効果かな?
製作者や出演者達の熱意が溢れていたのでしょうか。とにかく視聴者が好む好まざる関係なく「これが我々の描くヒーローなんだ!」という迸りを感じるのです。実際に短縮された全26話を路線変更せず明日に向かって突っ走って崖から落ちています。
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仲間達から少しずつ
距離を取って
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タイガーセブン主題歌の歌詞に「世界の平和を夢に見て 明日に向かって突き進め」というものがあるのですが・・・余命の限られた主人公の進む先は崖しかないんですよね。ゴールはあってもその先は崖。仲間達とのわだかまりと自身の夢、向けられた愛も全て飲みこんで逃げる様に走り去ります。
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(このシーンを空撮にしたのは凄い)
主人公を取り巻く状況は過酷です。そりゃ途中迷いは出るし立ち止まります。それでも最後は状況に押された形とはいえ自分の意志で前に進みます。
私個人はこれをヒーロー賛歌的なものとは全く思ってないんですよ。
状況に関わってしまった個々人達がエゴをぶつけ合いながらも一欠片の決意だけを燃料に物事をやり遂げる。
鉄人タイガーセブンは子供向け特撮番組ですので正義と悪がある程度分かり易い構図になっていますが、世界中のあらゆる争い事の中心で起きている状況なのではと思います。
周囲の無関心と罵倒、当事者の決意と暴走。エゴと自己犠牲。現実はこれに正義の尺度まで安定しない難易度MAXな致命的状況が付随します。
執筆の都合で中途半端なところで締めに入りますが、ヒーローという存在の定義と現実としてこの辺りは改めて取り上げたいと思っています・・・あ、ネタ的な部分も忘れずに取り上げますよ(笑)
余力が無いのと全身筋肉痛で動けないので「記事の続きを夢に見て 明日の自分に投げ渡せ」の心です(゚д゚)
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サブカルチャー的なものを中心に緩く語っています(゚∀゚)