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エレベーターガールの白い手袋

今ではあまり見かけなくなった職業の一つにエレベーターガール(昇降機ガール)というものがあります。

エレベーターを操作し、各階の売り場の案内をする女性従業員のことですね。

私が小学校に上がる前後くらいまでは地元の百貨店でその姿を見ることができた覚えがあります。

一昔前の百貨店(デパート)は正装して家族で訪れるといったハレノヒの舞台だった時代もありましたから、エレベーターガールもまた花形的な立ち位置だけでなく気張った人々を出迎えるだけの品格が求められる職業だったのではと思います。

こんな感じで花を感じさせつつ
ビシッとしていた記憶・・・
この人まんま花持ってるけど


私の記憶がある時期ですとお出かけの場所ではあるものの、ハレノヒの舞台という程でもない位には百貨店が庶民に馴染んでおりました。

そうなるとエレベーターガールは・・・余計に気品のある存在として輝いて見えたわけですよね。

子供ながらにとにかく美しいなぁと思いました。

職場の立ち位置的に外見的なものもあったとは思いますが、それ以上にとにかく所作の一つ一つが美しく百貨店の顔としての自負を感じる立ち姿なんですよね。


「別にエレベーターのボタンをポチポチーって押すだけなんでしょ?」


そんな言葉も耳にしたこともありますが長い勤務時間をスムーズにお客様を案内し、怪我なく乗り降りさせて息を抜けるのは誰も乗っていない時のエレベーターの中でのみ。

なかなかハードな立ち仕事だと思います。実際にエレベーターガールをされた経歴を持つ御婦人に昔話を伺ったことがありますが、大変だったけどその仕事にとても誇らしい感情を持っておいででした。

今でも白い手袋でドアに手を添える仕草が目に浮かびます。乗り降りする時に大きく表情を崩すわけでもないのにしっかりと微笑んで幼児が乗り降りするのを見届けてくれる優しいあの目。

滑り込みですが当時体験できてよかったなぁと思います。


そういえば流石に本職を見た経験はないのですけどエスカレーターガールというものもあったそうで。

人件費的な話もですが、安全に運行する技術の向上と我々一般人が操作することに慣れた事もエレベーター/エスカレーターガールが消える理由になったのだと思います。

寂しい話ですが、人類の成長の証でもありますよね・・・って大げさ?(笑)


<前のお話>

<闇鍋たーのしー>
他のマガジンに放り込む場所がない記事のごった煮です(゚∀゚)


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