全部ない。そして全部高い。
こんにちは。グンゼの前原です。
プラスチックフィルムを製造しているグンゼで培った経験を活用して、
noteでは 食品パッケージに関する雑学や豆知識を提供しています。
皆さん気づいていますか。
「あらゆる製品」が値上がり、もしくは供給不足になっています。
プラスチックも他人事ではなく、ほぼほぼすべての原料が高騰しています。
それはなぜか?
我々の身近な部分でいくと、『ガソリン』価格が分かり易いですね。
下記のグラフのように、右肩上がりで推移しています。
(参考:e燃料 https://e-nenpi.com/)
そもそも世界的に脱炭素が叫ばれている中、原油生産量を絞る傾向になっているのも事実であり、価格高騰は一過性ではないと思われます。
また、昨今の海上コンテナ不足・運賃上昇などの問題から、輸入関連にも大打撃があるのも事実です。
そのため小麦粉、油、バター・マーガリン、大豆、珈琲豆…などあらゆる製品に影響が出ています。そうなると 最終製品である加工食品も コストアップを吸収しきれず、ブランドの価格改定など 報道も増えてきました。
確かにこういったものはテレビでも連日報道を受けていたり、イメージしやすい(パンの原材料は小麦粉だからそりゃ価格も上がるよね)のですが、
パッケージ(プラスチック)ってイメージしにくいですよね…。
確かに石油の値段が上がればプラスチックの値段も上がるかもね、と漠然としたイメージはあるかもしれませんが、事はそんな単純ではありません。
そもそも、一つのパッケージ(包装)に構成されているプラスチックは無数の素材から出来ています。
パッケージ構成としては
①インキ(印刷) ②接着剤、コート剤
③フィルム or 金属(AL箔) ④チャックなど
の4つから出来ています。(あくまで一例ですが)
例えば①のインキに関しては、顔料(色)以外にも 色を均一ムラなく分散させる樹脂(ウレタンなど)、溶剤(エルテル)、耐光性などを付与する添加剤(シリコン)など、様々な有機物で構成されています。
②の接着剤も、主剤のエーテル、エステル系の溶剤以外に硬化剤も含んでいます。③のフィルムに至っては、フィルムの種類、各々の添加剤などを含めると膨大な原料から形成されています。
何が言いたいかというと、一つのパッケージは無数の原料から形成されていますが、何か一つでも原料の供給が止まれば、一切成立しません。
そして原料の供給よりも需要が高まった場合、価格が高騰します。
現に原油価格の高騰、供給調整などにより 副産物が生成されず、その影響で「あれ、パッケージの原料足りなくね?」「値上がりしすぎてどうしようもないよ…」「(発注したのに)納期回答こないものがある!」という状況が発生しています。
それでも何とか安心安全に食品を届ける目的でパッケージは無くてはならない存在のため、各社メーカー(フィルム、インキ、接着剤)や加工会社(印刷・ラミネート)は代替品など 影響の出にくいやり方を模索し、日々奮闘をしています。
そのためリサイクルなど貴重な資源を循環する必要性がより一層、高まっていくと考えられます。
ではまた!