【軍儀・ルール解説①】帥と兵
『帥』の動き
帥(すい)は”将棋における王将” ”チェスにおけるキング”にあたる駒です。
敵軍の帥を捕まえることがこのゲームの目的です。
王将・キングと同様に周囲1マスに動けます。
軍儀特有のルールとして『ツケ』があります。
『ツケ』とは他の駒の上に重ねて、上段に移動することです。
『ツケ』を行うと、基本的に各方向に移動力が1マス分伸びます。
『ツケ』は最高3段まで可能です。
3段目に登れば、そのぶん移動力も向上します。
『兵』の動き
兵(ひょう)は前後に1マス動けます。
2段目、3段目に登れば、その分移動距離が伸びます。
兵は対局開始時には手持ちに4個あります。
詰軍儀 練習問題
ルール理解や駒の動きに慣れるために簡単な詰軍儀を解いてみましょう。
第1問
白側は味方駒が帥1枚だけです。将棋やチェスではありえないことですが、軍儀ではこの状態で詰みが成立します。
第1問 解答・解説
解答:〇2-2-2帥 まで1手詰め
敵の兵に帥で”ツケる”のが正解です。
敵の駒が同段以下でないと、とったりツケたりすることはできないルールです。(味方駒なら同段以下でないとツケられない。)
要は低い位置の駒は、高い位置の駒に手を出せないということです。
白帥は2段目、黒帥は1段目にいます。
白帥は同段以下である黒帥をとることができます。
黒帥は自分より高段の白帥をとることはできません。
第2問
第1問と比べると白側は味方の兵があります。
しかし、黒帥にすぐとられたり、ツケられたりする位置にいるため、うまくそれを防ぐ必要があります。
第2問 解答・解説
解答:○3-2-2帥 まで1手詰め
第1問同様に敵駒に”ツケる”のが正解。
詰軍儀では基本的にツケるのが良手の場合が多いです。
2段目にいる帥の利きの範囲と1段目の兵の利きの範囲、2つがうまく組み合わさって、黒帥の逃げ道をなくしています。
将棋の歩やチェスのポーンなどと違い、軍儀の兵は後ろにも利きがあります。そのため、このような詰み形が成り立ちます。
第3問
3手詰めです。またもや味方駒が帥1枚です。
黒側には2段に重なっている駒があります。
●4-2-1兵、●4-2-2兵(黒兵が2枚重なっているということ)
第3問 解答・解説
解答:○2-2-2帥、●4-1-1帥、○4-2-3帥 まで3手詰め
出題図で1段目にいる白帥は、2段に重なっている駒には手は出せません。
1段の方の黒兵にツケて帥手をします。
帥手された黒帥の逃げ場は1カ所しかありません。
出題図から○2-2-2帥、●4-1-1帥(図3-2:途中図)
途中図では白帥は2段目にいるため、2段重ねの黒兵にも手を出せるようになりました。また、ツケたことで移動力が伸びており、2マス離れた位置でも利きが届きます。敵駒2段の上、3段目にツケて詰みです。
途中図から○4-2-3帥(図3-1:詰め上がり図)
第4問
3手詰めです。
将棋同様、1手を使って持ち駒を盤面に置くことができます。
軍儀では”新(アラタ)”と言います。
※アラタできる範囲には制限があり、一番奥まで進んでいる味方駒よりさらに奥にはアラタできません。この詰軍儀ではそこまで問題になりませんが。
第4問 解答・解説
解答:○3-2-2帥、●1-1-1帥、○1-2-1兵新 まで3手詰め
この問題で言いたいのは、将棋における”二歩禁止”や”打歩詰め禁止”といった反則ルールは軍儀にはないということです。
おまけ
第5問
難易度UPの7手詰めです。
一般的なルールで使用できる 白帥1個、黒帥1個、白兵4個、黒兵4個をフルに使用しました。一応全ての駒に役割があるように作れたと思います。
第5問 解答
解答:○1-6-2帥、●2-4-1帥、○3-4-2帥、●1-3-2帥、
○2-3-3帥、●1-1-1帥、○1-2-1兵 まで7手詰み
他にも2ルート別解がありますが、解説で紹介します。
第5問 解説(有料)
初手は○1-6-2帥。
帥と兵しかないため、他に有効な帥手の選択肢がありません。
○1-6-2帥に対して、黒帥が逃げられる場所も●2-4-1帥の1カ所のみです。
3手目の有効な帥手も○3-4-2帥のみで、ここまでは一直線です。
初手より○1-6-2帥、●2-4-1帥、○3-4-2帥(図5-2:途中図①)
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