〈バスの旅3時間〉泣き叫ぶ娘と白目の旦那
(やっぱり、旦那を連れてくるべきじゃなかった!!!!!)
夕方の暗い道を走るバスの中、わたしは後悔していた。
その時は旅行中で、ばーちゃんのいる田舎へと向かうバスの中にいた。
主要駅から遠く離れた田舎まで、バスで3時間半。3歳と7歳を連れて、乗り越えられるのか、正直かなり不安だった。
しかも、その前に3時間新幹線に、さらにその前に1時間半電車に乗ってきている。
そして、なにより!
「公共交通機関」と「人混み」が苦手なうちの旦那が、移動中イライラしてしまうのが心配!!!!!
小さい子供二人に、旦那の不機嫌トリガー満載の長距離旅行!!!
なにも起きないはずがない!(断言)
今回は、そんなドキドキ・ハラハラな旅の模様を、お届けします!どうぞ、ゆっくりおやつでも食べながらご覧くださいませ。
序盤から旦那の目はもう死んでいた。
我が家の最寄駅から、新幹線のある駅まで辿り着いた時点で、旦那の目は死んでいた。
地域の要となるターミナル駅であるそこは、大勢の人で賑わっている。
白目旦那が『カフェで休もう』と言うので、探したが、一軒目は子供が座りにくい椅子で、二件目は満席で入れなかった。仕方がなくコンビニでおやつを買うことに。
カフェ行きたがってたし、コンビニの淹れたてコーヒーでも飲むかな?と思って旦那に『コーヒー飲むかい?』と聞くと、『いらない』と即答。
てかさ、カフェ行こうって言ったのアンタやん。なのに飲まないんかーい!
…うん、完全にスネてますね。スネチャマ降臨してますわ。
今からこんなんじゃ、これから先が思いやられるなぁ。
そう思いつつ、わたしは心の中でため息をついたのでした。
新幹線、乗っても降りても試練は続く。
改札口前で私の母と合流し、新幹線に乗り込んだ。
最初は大人しくしていた娘だが、新幹線がトンネルに何度も入るようになると、その音と暗さに怖がって泣いてしまった。
あわててご機嫌とりをする大人たち。その後も怖がっていたが、次第に慣れて平気になった。
その後は塗り絵、シールブック、抱っこなどで長い新幹線旅をどうにかやり過ごした。やれやれである。
新幹線を降り、お昼ご飯を食べ終わった後、時間が余ったので駅付近を散策することになった。
眠くてごきげんナナメな下の子はパパにべったり。ずっと抱っこで旦那ゲッソリ。(白目継続中)
旦那の代わりに、重すぎるリュックとキャリーバッグを持っていた私もゲッソリ。
それらのあまりの重さに、『次回遠出するときは、旦那に荷物を送ってもらうよう強く勧めることにしよう!!!』と、固く心に誓った。
(帰りはキャリーケース(9kg!)を宅急便で送るよう勧め、送ることに成功!!よくやった私!)
バス停に着く頃には下の子が眠ったので、抱っこは私に交代。やれやれ、ようやく眠ったぞ。
一度寝ると長いので、バスの中でぐっすり眠るだろう。そう思っていた。
でもそうならなかった。
過酷すぎた、3時間半のバス移動
バスは定刻通りやってきた。
(やっと座れる!!)
寝てる娘を抱っこしていたので、すぐに座れる運転席左後ろの席を選んだ。
まさか、この選択を後で後悔することになるだなんて、夢にも思わなかった。
バスが出発してすぐに娘は眠りから覚め、私の休憩時間は終了した。
え、、、いくらなんでも早すぎる。
まだこれから3時間半もあるというのに!!!!
おまけに隣には不機嫌オーラを放つ旦那がいる。ため息吐きまくりで、これまた非常に居心地が悪い!
座席も決して広いとは言えないので、肉体的にも精神的にも窮屈で、正直キツイ。
というわけで、信号待ちの停止中に、旦那には後ろの席に移動してもらった。
ふう、これで一安心。
夫婦が離れた席に座って安心してるだなんて、どーなのよ??って感じだけど、これ以上不機嫌オーラを浴びてたら私までイライラしてしまう。それはゴメンだ。
旦那が出かけ先でイライラするのは毎度のことだ。宿泊に限らず、車で少し遠出するだけでも同じ。
本人曰く、『遊びに連れて行くのは嫌じゃない』らしい。ただ目的地に着くと楽しくなさそうだし、早々に『早く帰りたいオーラ』を出す。
さらに公共交通機関も苦手なため、電車移動はほぼしない。
わたしは運転が下手なのと、実家が車を持ってなかったので、公共交通機関の方が馴染みがある。
なので、電車でのお出かけは旦那が仕事の日に楽しんでいる。
その度に、旦那は『自分も行きたかった』と言うのだが、その後、そこへ行きたいと言うことはなかった。
というわけで、『公共交通機関』を使用した『家族全員』でのお出かけは、レア中のレアなのだ。
スケジュール的にも無理があるし、私の身内に会いにいくだけの旅行なので、旦那は行かなくてもいいと思っていた。だから『行く/行かない』の決定は本人にゆだねた。
その質問をして二ヶ月後に、旦那は『行く』という返事をくれた。予想外だった。そして不安になった。
かといって、聞いた手前、断るのもおかしいし、子供が二人いるので、大人が一人増えるのは心強い。それに上の子が一人で男湯に行くこともなくなる。わたしは、不安な気持ちに蓋をして受け入れた。
(ま、なんとかなるでしょう!!!というか、なんとかなれ!!!!)
という思いとともに。
そうして、私の母を含めた、大人3人子供2人の旅行となったのであった。
さて、話は戻ってバスの中。
娘はじってしていられなかった。
『新幹線でもなんとかなったし、バスでも乗り越えることができるはず!』と、シールブックや折り紙で娘の機嫌をとった。最初はそれでうまくいった。
でも、眠たい時の娘は一筋縄ではいかない。
身を乗り出して、席と席の間にある通路に出ようとしたり、道路にある矢印がロケットに見えたらしく、『ロケット!』を連発。喋り出すと止まらない娘はそのままマシンガントークへ突入。
大声ではなかったのだが、運転席の近くだったのもあってか、『もう少し静かにしてください』と運転手さんから注意されてしまう。
(こまったなぁ)
娘は喋り始めると止まらないのだ。
一人で延々と自分の中の物語を語り続ける。
『小さな声で話そうね。』
『しーーだよ。』
と、語りかけたって無駄だ。
本や遊びで誘っても応じてくれない。
彼女はただただ喋りたいのだ。
でも、注意されてしまった以上、できるだけ静かに過ごしてもらいたい。
周りの人の目も気になってきた。
(バスが停車したら、後ろの席に移動しよう。)
そう決意した。でもなかなか止まらない。
ながいながい峠道には、信号もなければ停留所もない。止まる要因がない。
そんな中、娘はご機嫌に喋り続けた。
周りの視線も気になるし、運転に集中できないだろうなぁ。どうしよう。
もう、運転中に移動してしまおうか。。。、
でも、運転中は立ち上がらないくださいと、注意されている人もいたので、それも難しい。
なにせ私は最前列にいるから。
こっそり移動したって、ぜったいにバレる。
(ああ、後ろの席にすれば良かった。。。)
困り果てていたその時、バスはようやく信号につかまった。
その瞬間、後ろの席にいた旦那が素早い動きで娘をさらっていった。(相変わらず目は死んでた)
おお、旦那ナイス!これで、運転手さんにご迷惑をかけなくて済むぞ!
この後ぐったり疲れた旦那を拝まなければならないのは憂鬱だけど、今は本当に助かった。降りたらねぎらいの言葉をかけよう。(我ながらひどい嫁だなと思う。)
(ああ、つかれたぁ。)
娘の対応で体力と気力をすっかり消耗してしまった。
(到着まであと1時間、ゆっくりしよう。)
その5分後、娘のおたけびが車内に響き渡り、私の『ゆっくりタイム』は、即終了したのだった。
ついにバスを止めてしまった。
さて、なぜ娘は泣いてしまったのかというと、『かーちゃんのそばにいたかったから』という単純明快な理由だ。
だから、わたしが娘のそばに行けば解決する、、、のだが、バス車内ではそれが難しい。
私は変わらず最前列に。娘と旦那は後ろから数えて3番目の列にいる。
運転中は歩いてはいけないため、止まったタイミングで移動するしなない。
だが、降りるお客さんもいないし、信号もない。
『かぁちゃんがいいーーーっ!!!』
旦那に抑えられながら、大声で泣く娘。
ジリジリと、前列への移動を試みる旦那。
それを見ていた息子が『〇〇ちゃん(娘の名前)泣いてるねぇ。』と話しかけてきた。
『そうだねぇ。早くいってあげたいんだけど、運転中は動けないもんなぁ。困ったね。』
私は小声でそう答えた。
(みんなに迷惑がかかってるし、運転手さんにバスを少しの間止めてもらえないか頼んでみようかな。)
そう思い始めたとき、バスがハザードランプを点滅させた。
(まさか!)
そして、何もない田舎道でバスは静かに停車した。
『ありがとうございます!!!』
運転手さんは何も言わなかったが、『席を移動しなさい』という意味だと受け取った私は、素早く荷物をまとめて、後ろの席へ。
そして、ギャン泣きしている娘を旦那から受け取り、泣き止ませることに成功した。
その後、娘はぐずることなく、到着までご機嫌で過ごしてくれた。
娘をなだめ続けていた旦那はぐったりしていた。
3度ほど、こっちを睨んでるんじゃないかっていう視線を投げかけてきたけど、スルーした。(をい。)
『頑張ったね、ありがとう。』と言おうと思ってたけど、そうやって睨まれてしまうと言えなくなる。今、何を言っても睨まれそうだから、怖くて話せない。
無事、到着!!!
バスの車窓から、見慣れた街並みが見えてきたとき、心底安堵した。
12時間にわたる長い移動を、乗り越えることができたのだ。
運転手さんにお礼とお詫びをしながら、停留所を降りると、たくさんの提灯の灯りがわたしたちを出迎えてくれた。
その日はちょうどお祭りの日で、山車もいくつか出ていて、いつもさびしい商店街が活気に満ちていた。
ここに来たことを祝福してくれているようで、あたたかい気持ちになった。
(めちゃくちゃ遠かったし、疲れたけど、来れて良かったな。)
わたしは、わたしの心のふるさとに、五年ぶりに帰ってきた。
帰る場所があるって、幸せなことだな。
でも、あと何回ここに来られるだろう。
(もしかしたら、5回もないかもしれない。)
そう思うと、無性に寂しい気持ちに襲われた。
安堵と、疲労感、嬉しさ、寂しさ、いろんな思いでごちゃ混ぜになりながら、宿泊先のホテルへと歩いていくのだった。
おわり。
おわりに。
なんか、最後は感傷に浸ってしまって、こんな終わり方になってしまった!
明日見たら、『ナニコレ』って思いそうだけど、勢いにまかせてアップしちゃいまーす!笑
その後の旅路も色々あったんだけど、結果的には『行ってよかった!』と思える旅行になりました。
ただ、次回も旦那を連れて行くかと聞かれると、悩ましいところですが。。。
頑張ってくれていたと思うんだけど、疲れと不機嫌さが、露骨に顔と態度に出てしまうのは困りもの。だから、母と行動する時は旦那抜きにしようかな。
…母にも大分気を遣わせてしまったし、ね。
というわけで、白目旦那との家族旅行(移動12時間!)のレポートでした♪
↓旦那との結婚について書いたnoteはこちら。
最後まで読んでくださりありがとうございました!『頑張ったね!』の「いいね」お待ちしております。明日の活力につながります。
ではでは、また次回お会いしましょう!
またね〜