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『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』

2022/05/12
Solnit,Rebecca,2017,The Mother of All Questions:Chicago,Haymarket Books(ハーン小路恭子訳,左右社.)

「母であることが女性のアイデンティティの核だとみなされるのは、子どもを持つことで愛情を与える能力を満たすことができるという信念のためだろう。でも愛の対象になるのは自分の子どもだけではないし、世界には愛を必要としているものがたくさんある。世界で愛がなすべき仕事もたくさんある。(p. 18)

この一節がめーっちゃよくてこれだけ紹介する。ほかにも、たしかにぃってなることとか、それなwってなることとか、いっぱいあったけど、ぱーって読んだから全部は拾ってない。

私がこの一節を取り上げたら、私がめっちゃめちゃ子ども産みたくない人みたいになるかなあって思ったけど、主張することと当事者であることを即座に結びつけるのってどうなんって思うし、当事者しか主張できないってしんどいと思うし、私個人のライフプランはどうであれこの一節は紹介する価値があると思ったから上げちゃう。

この本は『説教したがる男たち』の続きで、2冊ともぱーって読んだけどそれなりに収穫があった。これらの本に書かれていることの照り返しで、やっぱり私の問題関心の核はフェミニズムとは違うところにあるなって気づいたことが一番大きい。
弱者の語りへの関心は女性の置かれている立場への関心から来ている。つまりマイノリティ/当事者としての「女性である私」が根っこにある。それは本当。
しかし私は語れるし、語るために必要な洞察力、思考力、知識、概念、言語、それから気丈さ?を持ち合わせているが、そうじゃない人がけっこうたくさんいる。つまりマジョリティ/非当事者としての「語れる私」も根っこにある。こっちを自覚する方が大事かも。

フェミニズムに関して、意見を言って「ない人」の気持ちってどうなってるんだろうっていう研究をしようとしてた友達がいるけど、「フェミニズムの文献って意見のある人の意見ばかりがあるんだよね〜〜当然だけど」って言ってた。
「難しいなって思ってテーマ変えちゃったから、バトンタッチするかんじになっちゃうね」って言われた時は、私もフェミニズムから離れるよ〜〜難しいもんって思ったけれど、離れた結果その子の関心にごく近いところまで戻ってきたな。
寄り道ばかりしていてまとめきれるか心配だけど、最後は全部繋がる気がする。繋がれ。

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