グミ女るな子

本とか美術展の感想をふやふやと綴ります。日記も書くかも。

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最近の記事

メンタルクリニックの選び方(共有)

2024/6/8 1年と少し世話になってたメンクリを卒業した!またなんかあったら来てくださいとなり、次医者にかかるときのために口コミの見方まで教えてくれた。 おかげさまでこの1年元気に過ごしたが、ドーピングなしで生活できるようになるのがふつうに嬉しい。薬もらうために月1で前住んでた街を訪れるのはそれなりに楽しかったけど。 さて、口コミの見方、めちゃ勉強になったので備忘録&世界に共有するために?書いとく。 まずメンクリの口コミは⭐︎5と⭐︎1に振り切れることが多い。 病院側

    • ひとの、高校時代の部活の写真を見せてもらった。

      2024/5/12 ひとの、高校時代の部活の写真を見せてもらった。 私は、「高校生の青春って瞬間やけど、試合の写真って瞬間オブ瞬間やから、なんかこっちまでどきどきする」って答えた。 でもそれは、臨場感、当時の試合の緊張感を直に感じて高揚したのではなくて、その逆、過ぎ去った、過ぎ去り続けていく瞬間との距離を感じてちょっと狼狽えた。 ちょうど旅先で、ふだんとは違う時間の流れの中にいたから、このどきどきが何なのか、しばらく考え続けていた。 先のnoteに書いたけど、東京都現代美

      • サエボーグ,津田道子

        2024/4/28 @東京都現代美術館 すごかった!こんなん無料でやったあかんよ、ぜんぜん空いてたけどめっちゃ楽しかった〜。 カテキョやってた少年におすすめしたら、二つ返事で「行きます」と来た、有望◎ まずはサエボーグさんのI WAS MADE FOR LOVING YOU。タイトルがもうしんどい。 風船みたいなへんな膨らみ方をする着ぐるみの、ペットとか家畜の姿をした中に、生身の人間が入ってる。 それはイヌの動きをするのだけど、足先にヒトの形が残っていたり、手首から人肌が

        • 中島京子さんほか

          2024/1/27 女性とか社会とかマイノリティに向ける眼差しが良い。でも文体は固くなく、動物とか妖怪とかがいっぱい出てくる。さいこー。 『やさしい猫』 「長いのに一瞬で読める、恐ろしい本です」って紹介された。そのとおりやった。難民問題がテーマやけど、子どもの語り手が社会より手前に家族を見てるから、語り手の歩幅で物語が進む。 『かたづの!』 歴史物だけど語り口がいかめしくなく、茶目っ気がある。語り手が一本角のカモシカで、怪鳥ぺりかんとか、河童も出てくる。 『オリーブの

          「オラファー・エリアソン展」

          2024/1/20 @麻布台ヒルズギャラリー カテキョの教え子と行った。なんか大人になってた。美的感覚の鋭い子だとは知ってたけど、駅とか建物内でも「この空間やばい、変」とか言ってて、私は、言われてみれば…?みたいなかんじだった。空間からなにかを受け取る、網目の細かさが、私とは全然違うんだってすごいなって思った。 大本命の、水ばら撒いてストロボで見せるやつ、辰年だからか私は龍に見えた。ずっと見てると頭おかしくなりそうだったから私は先に外に出たけど、カテキョの子はずっと中にい

          「オラファー・エリアソン展」

          『PERFECT DAYS』

          2024/1/15 主演=役所広司 監督・脚本=ヴィム・ヴェンダース 年末に観て超良かったって聞いたので行ってきた。なるほど、頑張って仕事終わらして「さあ!」って気持ちで観るとすごい満足感あった。 同期に、今日このメンツで映画観るねんって言ったら、「パーフェクトデイズ?」って返ってきてびびった。「いまやってる映画で、そのメンツで観そうなのそれかなって思った」らしい。すご。 ドア開けて、曇天で、あの笑顔になれる人は、盆栽とか愛でてるの納得できる。どうしてこのおじさんはこんな

          「千鹿頭」

          2024/01/14 @調布市文化会館たづくり すごかった!すごかった! これ無料なの信じられん、お金払わしてほしい。応援させてほしいこの芸術活動を。 映像作品って途中そわそわしちゃうというかある程度見てまあいっかって離れちゃうことが多いけど、しっかり40分見入った。息してたかも怪しい。 会期はそこそこ長かったのに見つけたのが超年末で、帰省長く取ったからもう無理かなって諦めてだけど、終了前日にこの企画のリンク送ってた2人から行ってきたって連絡もらって、開トツで滑り込み鑑賞し

          『あわのまにまに』

          吉川トリコ,2023,角川書店. 読了してすぐ、ため息とともに出た言葉は「かっこいい…」だった。この奥行きを、この精度で、しかもこんなにリーダビリティ高く、書けるなんてかっこいい。 同性愛とか不倫とか幼馴染とか、関係が複雑で盛り込みすぎだって言ってる人もいたけど、いやいや、全登場人物がちゃんと人間として物語の中を生きてるの、こんなん書けんの天才よ? 2029年から10年ごとに時間を遡りながら家族関係が描かれていくのだけど、各年代の空気も、舞台設定の色もその時その場所にい

          『あわのまにまに』

          『ハジケテマザレ』

          2023/10/27 金原ひとみ,2023,講談社. ひっっさしぶりに小説を読んだ。 いや、本はたくさん読んでるはずで、ほんとはもっと読まなあかんのだけど、量とか速さとかじゃなくて、この物語の奥には人間がいて、かれらと自分と自分の周囲の人間の接点を考えて、うれしくなったり、落ち込んだり、打ちのめされて、読了後しばらくなんにもできひんかったり、そういう読書を久しぶりにした。金曜日だからできたのかもと思う。 読書ってなにかわからんくなる。業界人として読んでることは大前提だし読

          『ハジケテマザレ』

          野菜スープの週末

          2023/10/9 劇やって仕事やって家事やって体調崩して寝込んでて、ちょっと、いらんこと考えてるひまなかった。 3連休は完全に予定を空けて休養することにして、平野啓一郎『ある男』を読んで久しぶりに良い読書をしたなーと思いながら、週明けに備えて先週やり残した仕事をしたいけど、まだちょっとごろごろしてる。 活動意欲に反して、たぶん人より多く寝なあかん体で、劇団員にもサークル同期にも会社同期にもだいたい私が一番早く寝て一番遅く起きてくることは知られてる。 親戚の集まりとかよ

          野菜スープの週末

          『君たちはどう生きるか』および編集者として働きはじめて考えるあれやこれや

          2023/8/16 なんかみんながむずかしいむずかしいって言うからもっとわけわからん置いてけぼりになる心づもりで行ったのに、しっかりジブリでわりと安心して楽しめた。書籍のほう、読んでないけど、たぶんそっちがむずかしいから釣られてむずかしく考えすぎなのでは。タイトル借りてきただけで、書籍と映画は内容まったく別なんね。 あのおじいさんがほぼほぼ宮崎駿で、とりあえず大枠は宮崎駿の物語世界の継承譚だと捉えた。あとはシンプルに古典的な「行きて帰りし物語」、ファンタジーとして楽しめばい

          『君たちはどう生きるか』および編集者として働きはじめて考えるあれやこれや

          『一人称単数』

          2023/8/13 村上春樹,2020,文藝春秋. 当て所なく電車に乗って本を読むという旅をした話をしたら、真似してくれるらしく、おすすめの本を訊かれた。夏の車窓に合う小説を考えてみたけど、私は夜の自室に似合う本ばかり読んでいて、それにそのひとの本の趣味がわからないから、いってる美術展の趣味から類推するしかなかった。シュール&ポップがお好きかなと思ったので、村上春樹の短編。未読の本薦めるってどうなんやろと思いながら、ちょうど私も読むので『一人称単数』を。 「クリーム」「

          『一人称単数』

          さいきんどうやって読んでるかって

          2023/8/2 椅子を2つくっつけて家にいるみたいな格好で寝そべって本を読んでたら、先輩社員のおじいがぽてぽてぽてっと歩いてきた。手に持ってる紙を私に見せて 「内線表が更新されて、初めてあなたの名前が載ったね」 それだけ言ってまたぽてぽてぽてっと歩いていった。ラブすぎる。 このおじいはこないだ家庭菜園のトマトを大量に職場に持ってきてくれて、うち半分くらいを私が食べた。「ありがとうございました美味しくいただきました」と空のボウルをお返しすると、一言 「トマト好きなの?」

          さいきんどうやって読んでるかって

          ピアス失敗

          2023/7/30 みなさん…わろてください。 ピアス失敗しました。 多少膿んでもそのうち治るだろうと思っていたのですが、その後美容院に行った際に何度かガスッとやられ、自分でも何度かガスッとやり、皮膚科に行って抗生剤をもらったものの、ニキビが治っただけで耳は治らず…。 なにをもって失敗とするか? それは、諦めた時です。 諦めたので、試合終了です。 毎日毎日ケアするのがほとほと面倒になり、大枚叩いて開けた穴はもう塞がっていいことにしました。 あんなに気に入って買ったネコ

          夏のスケッチ

          2023/7/29 横断歩道の向こう、真っピンクのシャツの男が小玉スイカを脇に抱えて立っているから、夏だと思った。信号は長く変わらなかった。私は、プールの底に放り込まれたような気持ちでそこにいた。蝉の声が遠くて、空が高くて、緑が濃くて、なにか大事なことを思い出しそうになった瞬間、パッと青信号が光った。 世界が音を取り戻し、私は雑踏に紛れて歩き出す。すれ違いぎわ、小玉スイカの男のシャツをよく見ると、小さなフラミンゴの柄が散りばめられていた。 駅へ続く階段を登ると、2年前に

          夏のスケッチ

          『うたうおばけ』

          2023/7/19 くどうれいん,2020, 書肆侃侃房. 読んでる間ずっと幸福だった。こんなにも、ただ楽しいと思って読書したのは久しぶりな気がする。 芥川賞の選評ではテーマの扱い方とか構成面でいろいろ言われてたけど、私はくどうさんの、まろやかな色に光るような文章が好き。書き手が世界を愛しているのがわかる。 たしかに、氷柱よりおばけのほうが面白い気がしたけど、じゃあエッセイストとしてやっていってほしいのかといえば、やはり物語を書いていってほしい。気がする。 そう、くどうさ

          『うたうおばけ』