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『100年後あなたもわたしもいない日に』

2023/3/21
土門蘭(文),寺田マユミ(絵),2017,文鳥社.

歌集を買った。装丁が可愛くて、絵がカシワイとか今日マチ子とか市川春子のかんじで素敵。言葉なしの漫画も収められていて、それがとても良い。100年後あなたもわたしもいないなら、世界はそんなにこわくないよね。

友達の定義について話す午後 ゆっくり君が 友達になる

亡骸を 埋めた土には紫陽花を 植えてね毎年 色を変えるね

熱に目を 細める君の隣にて 夏に生まれた ひととして居る

熱をもつ 電話は眠る 小鳥のよう 羽の一部を切られて飛べない

奪われた 心の一部は 今きみの もとで元気に やっていますか

君の吐く 言葉を固めて 飴にして ときどき舐める 悲しいときとか

○△□のうちで誰が好き? 誰といるとき安心できる?

100年後 あなたもわたしもいない日に 今日とおんなじ 朝陽がのぼる

***


敗北のあとも 歩いていかなくちゃ 負傷兵が 香水くぐる

こんどの劇は、この歌のアンチテーゼになるといい。負傷してまで香水つけて歩かなくていい、くたばってたらいい。

漸く起きられそう。
起きる。

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