さよなら東京
2024.4.11
明日、私は東京を出る。
地元へ引越すのだ。
思えば、高校3年で志望大学に無事合格し
上京してから早7年経った。
丸々、ちょうど7年である。
この7年間、
勉学と制作に夢中だったのと
都会のコンクリートジャングルと電車が苦手という理由で、
東京の東京らしい場所など
見向きもしていなかったのに、
いざこの地を去るとなると急に名残惜しくなって、
ここ1ヶ月で狂ったように東京の名所や
気になっていた場所へ足を運びまくった。
神保町、中野ブロードウェイ、六本木、奥多摩、麻布十番、調布、渋谷、新宿伊勢丹、西武園ゆうえんち、東京駅…
その間に、
ありがたいことに出品していた絵画作品が
公募展に入選し、
母や友人たちと作品を観に
3回も国立新美術館を訪れた。
こんな頻度で都心部に通ったのは
7年間できっと初めてだ。
そして、今、
引越しを明日に控え、
荷造りに疲れてボーっとしてしまった時に
頭に浮かんでは消え浮かんでは消え…する記憶は、
「気軽に会えなくなる前に」
と遊んでくれた友人たちとの弾けるような時間や
交わした言葉、
久しぶりにチャットで連絡を取った
大学からお世話になっている厳しくも優しい先生の言葉、
歯医者の帰りに立ち寄った植物園で出会った
ボランティアスタッフのオバチャンと子ども連れの若夫婦とのシュールな時間、
西武園ゆうえんちのゴジラ・ザ・ライドで
舐め回すようにして目に焼き付けたゴジラとキングギドラの戦い、
今日母と行った、近所の日帰り温泉で食べた
タコの唐揚げの味、
など、
あっという間に過ぎ去りしこの1ヶ月間にあった
出来事ばかりである。
なんだか本当に色々あったけれど、
楽しかった。
東京生活ラストスパートの1ヶ月間は、
実に目まぐるしく、常に体力と気力の消耗戦ではあったが、
この7年間を締めくくるに相応しい時間を
過ごせたのではないだろうか。
7年前、
受験のために下宿して通った予備校は池袋にあり、
受験本番には大学に近い立川に泊まった。
明日は、大学受験のときに泊まったホテルに一泊し、
池袋で友人と会ったら東京をしばらく去る。
成り行き上
池袋と立川で始まり、池袋と立川で一節が終わる。
これも何気に面白い。
こんな綺麗な締め方ができるのだし、
この7年間大満足だ。
終わり良ければ全て良し。
立つ鳥跡を濁さず。
思い残すことはもう無い…
こともなく、
まだまだ訪れられていない場所だらけである。
浅草の落語も聴きに行けていないし、
目黒も、自由が丘も美術館も行けていない。
私の体力と時間の使い方では、東京完全漫遊には
1ヶ月では全然足りなかったのだ…!
なので懲りずにまた来よう。
また会いに来る。
きっと近いうちに。
とりあえず、またね東京。