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聞こえるけど分からない

最近、APD(聴覚情報処理障害)について調べている。

APDとは、耳の聞こえに異常がないのに耳で聞いた言葉を脳が言語として処理できずに聞き漏らす症状のことだ。
どうやら脳機能の問題らしいが詳しい原因は分かっていないそうだ。

僕は昔から聞き間違いや聞き返しが多かった。調べていくうちにAPDというキーワードにたどり着き、自分にも当てはまる事象があり、疑っている。実際に検査をして診断されたわけではないので、なんともいえない。だが少なくとも「相手の話が聞こえるけど分からない」事象をなんとか抑えたいと思っている。

対面のコミュニケーションであれば聞き取れた断片的なワードと相手の表情やしぐさから類推することである程度補間できる。しかし電話やラジオなどの音だけの情報だと半分も理解できない。

長く付き合った人の話し声なら「この人の性格や普段の行動様式から推測する」ことが可能なため、音だけの情報でもなんとか理解できる(それでも「え?もっかいいって??」と聞き返す回数は多いらしい)

ストレスや体調不良で悪化することもわかっている。誰しも疲れてくると脳での情報処理がおぼつかなくなるが、輪をかけてひどくなる。言葉が通り過ぎていく・すり抜けていく、という感覚。

唐突にこんな話をし始めたのは、自分の生きづらさの多くがこの「耳からの情報をうまく取り扱えない」ことに起因しているのではと、ふと考察するに至ったから。

耳からの言語情報に弱いとあらば、何らかの対策を講じることで生きやすい自分を作り出せやしないかと考えた。


対処

そもそもの原因が分かっていない以上、対症療法以外の対策は取りようがない。せいぜい、「聞こえをよくするために疲れを溜めない」「聞こえたワードから類推する速度や質を向上させるために脳トレをする」くらいしか思いつかない。また、仕事においては耳を使ったコミュニケーションをあまり重視しない仕事につくほかない。

脳トレに関しては現状効果を実感できていない。長い目で見て地道に続けるしかないかなと思う。やってることはPODCASTを2倍速で聞く速聴、n-backと呼ばれる発達障害者向けのワーキングメモリを鍛える訓練を続けている。いつか効果があった!と言える日がくればいいなと希望は捨てないでいる。

音読も良いと聞く。ニュースサイトで1つ記事をピックアップして音読するのもいいかもしれない。今後、定常メニューとして定着させるかどうか要検討だ。

あとは落ち着くこと。これが難しい。「おちつけ!」と脳に命令したところですぐさま冷静さを取り戻せるはずもない。これは訓練してもなかなか効果が得られない。そもそも「慌てる」という状態は「恐れ」に対する「防御反応」だ。本能に近い部分ともいえる。明日からいきなり「ノーガード」状態になれたら素敵だがそうもいかない。

ここらへんは「社交不安」とか「あがり症」という知見から自分の状態を紐解く必要があるんじゃないかと。トレーニングだけでなくこうしたメンタル分析も併せてやったほうが近道なんじゃないかと思う。今後、ここらへんの本でも買って読んでみようかな。


そんなこんなでこの症状への対処は「これをやっとけばOK」というものがない。自分ができる範囲で対処したり回避する方法を模索するしかないようだ。今後も「これは効果があった」「これはだめだった」など、実体験をつらつらと書くことで同じ症状で悩む人の一助になればと思う。

そういえば祖母も聞き返しが多かった。歳のせいかなと思っていたが昔からそうだったらしい。もしかして遺伝かな?

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