男性不妊検査の実態:流れとコツを実体験から教えます。
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※一部軽微な性表現があります。18歳未満の方は見ないでね!
土曜、夫婦揃って不妊検査をした。
医者「精液検査、今日やってく?」
という一言から地獄が始まりました。
事前でネットで調べて見ると、「なかなか逝けない」人が多いんだとか。
私は大丈夫かな、という不安を抱えながらもYesと首を縦にふる。
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医者「お部屋用意しますね」
と待たされること20分。一体どんな素晴らしい部屋を用意しているのかと思いきや、通された部屋はちょっと高めの個室満喫にわざとらしくティッシュとPCが置かれているだけの部屋だった。
一体幾多の男たちがこの部屋で種馬のごとく精を搾り取られたのだろう。自分も彼らとともにその礎となるのか。そう思うと興奮してきた。
PCはHP社製の企業モデル。無骨なデザインだがキビキビ動く優秀なマシンだ。
この先生、中々分かっていらっしゃる。
「ご自由にお使いください」
の張り紙に片乳のポップなイラストが描かれていた。
(写真撮ってくればよかった・・・)
ご厚意に甘え、PCを起動する。
予めAV動画がmp4形式でたくさん格納されている。どうやらWifiも繋がっているらしく、用意されたAVでは満足いかない方でも安心の設計のようだった。
mp4はカテゴリー毎にフォルダ分けされている。
大分類は「乳」「尻」「学園もの」「SM」「下着」「露出」となかなか攻めたチョイスだ。
小分類は各々の大分類に大して20種ほどに細かく分類されている。
ここの先生は仕事が細かく、信頼できるな、さすがですやん?と思った。
ふと問題が浮上した。ヘッドフォンがないのだ。
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私は独身時代からの癖で、AVは大音量で流さないと盛り上がらないという困った体質だった。
あの音波が脳を揺らすような衝動(造語:セクスタシー・ソニック)がなければ逝けやしない。
しかたがない。ここまできたら音量MAXでやるしかない。怒られたら自重すればいい。
そう腹をくくり、パソコンの音量バーを摺り切りまで上げる。
今日のおかずは「尻>むっちり系カテゴリ」の「女尻」にした。
古いAVだが、私が学生のころはバイブルだった。
懐かしさに胸と股間をいっぱいに膨らませる。
しかし自室ならまだしも、外出先で「おいこら、出せ」と言われて簡単にでるものではない。
やはり心理的安全性というのは充実したオナニーライフにとっては必須条件なのだ。男は意外とシャイなのさ。
30分ほどトライするが中々達することができない。
立ってしごいても座ってしごいても逝ける気配すらない。待てど暮らせど来やしない。待ちぼうけの心境だった。
待ちぼうけでふと淡い記憶が蘇る。私は中学生の頃、好きだった女の子にラブレターを渡したときのことを思い出した。
「放課後、教室に残ってください。話があります(>ω<)ノ」
というラブメッセージを送った。
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結論からいうと女の子はそそくさと帰っていた。
そんなこと露にも思わなかった私は、鍵閉めの宿直の先生が声をかけるまで待ちぼうけだった。
そんな思い出にパワーを貰ったからか、私は加速度的に達しようとしていた。
そんな折、外からノックの音が聞こえる。
「時間かかってますけど大丈夫ですかー?というか音もっと小さくしてくださいねー」
看護師が心配して見に来てくれたようだ。しかしこっちは達しそうな手前。
声も出せず、今は自分の使命を全うしようとしていた。
AVからは相変わらず嬌声が大音量で流れてくる。まるで私を応援してくれているかのようだ。がんばれ、あなたは逝ける子よ、と。
これは男の美学だ。一所懸命に勤めを果たす。
これが大和魂なんだと思った。
ついに逝きそうになり、私は事前に手渡されていた採液カップをあてがい、達する。
「ほぉぉん!!」
と私は裏声気味に勝ち鬨を上げた。
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「ちょっ!大丈夫ですか!開けていいですか!●●さん(私の名前)倒れてないですよね??」
看護師が一層慌てている。この状態で開けられるわけには行かないので
私は疲れた身体から声を振り絞る。
「あ、だいじょうぶっす。終わりましたんで」
...
私は地獄があるとしたら、あの病院の一室みたいな場所なんだろうと思った。
何が美学だ。何が大和魂だ。馬鹿らしい。女尻と若かりし頃に虐げられた記憶で果てるなんて、とんだドM野郎である。私は一生分の恥をここでかいた。いや、かいたのはマスだけど。
精液採取は命がけである。この地獄から帰還した性なる騎士として私は現世に君臨し続ける。
...
あとがき
このことから教訓を得るなら
・精液検査はなるべく自宅でできる病院を選ぶ(そういう病院も多いみたいです)
・院内で出すなら予めスマホやタブレット端末にお気に入りのおかずをいれておく。なんなら診察までに助走つけておく
・音量は控えたほうが良い
・フィニッシュボイスも抑えよう
です。それではまた。